気仙沼線BRT「完全自動運転」導入へ レベル4取得目指す、自動運転区間も拡大



JR東日本は4月4日、自動運転バスを導入している気仙沼線BRT(宮城県・岩手県)で完全自動運転を目指すと発表した。あわせて自動運転の営業区間も延伸する計画。これらの準備のため、5月から自動運転バスの運用休止や一般道への迂回運転を行う。

気仙沼線BRTの自動運転バス。【画像:JR東日本】

気仙沼線BRTは気仙沼線・柳津~気仙沼の線路敷地を活用した専用道などを走るバス高速輸送システム(BRT)。昨年2022年12月から専用道の一部区間で自動運転バスの営業運転が行われている。

導入されている自動運転バスは、運転手の監視のもとで車線変更などを自動化する「レベル2」。JR東日本は今後、専用道の走行など特定の条件下に限り運転手の操作や監視が不要な完全自動運転「レベル4」への引き上げを図る考えだ。障害物検知能力の向上や必要なデータの取得、関係者との協議、審査を経て、来年2024年秋頃までにレベル4の認証取得を目指す。

自動車の自動運転レベル。【画像:JR東日本】

JR東日本は自動運転レベル引き上げについて「少子化・高齢化が進むことでドライバー不足がさらに課題となるなか、持続的に公共交通を運営していくため」とする。気仙沼線BRTの最高速度は60km/hで、JR東日本は日本初の60km/hでのレベル4を目指すという。レベル4は運転手が乗らない無人自動運転も可能だが、JR東日本は当面は有人のレベル4を目指すとしている。

また、現在の自動運転の営業区間は柳津~陸前横山の4.8kmだが、これを志津川駅の前にある一般道との合流地点(水尻川AP)まで延伸。柳津~水尻川APの15.5kmに拡大する計画だ。

自動運転区間の延伸計画。【画像:JR東日本】
2023年5月8日からは自動運転区間の延伸工事のため一般道経由に変わる。【画像:JR東日本】

JR東日本はレベル4認証取得に向けた車両改修や自動運転区間の延伸工事のため、今年2023年5月1日から自動運転バスの運用を休止。5月8日から11月30日まで柳津~水尻川APの運行ルートを一般道経由に変更する予定だ。これに伴い柳津駅と陸前横山駅の乗降場が変更される。自動運転の営業運用再開と自動運転区間の延伸は2024年秋頃の予定だ。

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