JR東日本は9月6日、気仙沼線BRT(宮城県)で12月5日から大型自動運転バスの実用化を開始すると発表した。これに先立ち試乗会が行われる。
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自動運転が行われるのは気仙沼線BRTの運行区間のうち、柳津~陸前横山に設けられた専用道の4.8km。柳津発(気仙沼方面)11時47分・17時27分の2本と、陸前横山発(柳津方面)11時07分・15時57分の2本で自動運転を行う。自動運転区間でもドライバーが乗務し、天候の状況などによっては手動運転を行う場合がある。最高速度は60km/h。
車両はBRT専用大型自動運転バスを使用。「三陸の海」をイメージした水色や「海のきらめき」を表現した白、「沿線の土地や人々」を表す茶色系統の黄色を使ったピクセルドットでデザインした。
試乗会は12月1~4日に実施。事前応募制で9月7日~10月14日に郵便はがきで申込みを受け付ける。
JR東日本によると、気仙沼線BRTの自動運転ではRFIDタグ付きの磁気マーカーを専用道に埋設。バスの車底部に設置したセンサーでマーカーの磁力を検知し、RFIDタグにより現在地を高精度に推定する。磁気マーカーを用いることでGNSSの電波が届かないトンネルも含め、専用道上の安全運転を実現するという。
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道路に設置した磁気マーカーを活用した自動運転バスとしては過去、トヨタグループが開発した磁気誘導式バス「IMTS」などがあり、韓国など海外でも研究例がある。IMTSは2005年、愛知万博の会場内交通機関として鉄道扱いで導入されたほか、淡路島(兵庫県)のテーマパークでも2001年から2008年にかけ施設内の移動交通として使われていた。
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近年は自動車の自動運転化技術の開発の一環として研究が進められている。JR東日本は2018年度から気仙沼線BRTや大船渡線BRT(宮城県・岩手県)で自動運転バスの実証実験を実施。磁気マーカーの活用も含め開発を進めていた。
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