JR東日本は1月15日、「BRT専用大型自動運転バス」を製作したと発表した。1月18日からバス高速輸送システム(BRT)の気仙沼線BRT(宮城県・岩手県)で走行試験を行う。
本年度2020年度の走行試験は1月18日から3月15日まで、気仙沼線BRTのうち宮城県内の専用道区間、柳津~陸前横山間で実施。トンネル内の走行や車線維持制御などの試験を行う。今年2021年夏には、地域住民を対象とした試乗会も柳津~陸前横山間で行う予定だ。
これにより60km/hでの走行や、トンネル内走行を含む専用道での自動運転レベル3(限定された範囲でシステムが自動運転し、緊急時はドライバーが運転する)の認証取得を目指すという。
JR東日本が今回製作した大型自動運転バスは、BRT線区での自動運転の実用化を見据え、現在BRTで使用している大型ハイブリッドバスを改造。専用道で自車の位置を特定するための磁気センサーシステムなどを搭載。ほかにも周囲360度の障害物などを検知できるセンサーやカメラを搭載した。
また、自動運転レベル3認証を取得するため、自動運転モードから手動運転モードにいつでも切り替えられるよう、ドライバーの状態を常時監視する機能を搭載。自動運転モードでの作動状態を常時記録する機能、自動運転システムの動作条件から外れた場合に警報音でドライバーに引き継ぎを要求する機能も搭載した。
自動車の自動運転の実現には、周囲にある別の自動車や歩行者の想定外の動きにも対応できるようにする必要があるなど、技術的な課題が多数ある。一方、専用道や専用レーンを設けたタイプのBRTなら別の自動車や歩行者が入ってくることが少なく、一般道よりは自動運転を導入しやすい。
JR東日本はこれまでにも、気仙沼線BRTや大船渡線BRT(岩手県)で自動運転バスの走行試験を行ってきた。また、茨城交通の路線バス「ひたちBRT」が走る専用道でも自動運転バスの試験が行われている。
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