JR北海道の新観光列車「赤い星」「青い星」2026年春から おもな運行路線は?



JR北海道は4月17日、新たな観光列車計画「スタートレイン計画」を始動すると発表した。同社が4月1日に公表した中期経営計画(2024~2026年度)に盛り込んでいたもの。既存の気動車を改造した観光列車「赤い星」「青い星」として2026年春から運行する。

「赤い星」編成のイメージ。【画像:JR北海道】
「青い星」編成のイメージ。【画像:JR北海道】

「赤い星」「青い星」ともに4両編成。車両はキハ141系気動車のキハ143形を改造して導入する。木材を多用し、一部には北海道産材の使用を検討。展望室には大きな窓を設け、北海道の自然景観を楽しめるようにする。

「赤い星」編成は「ラクジュアリークラス(豪華)」とし、定員は100人程度を予定。個室やセミコンパートメント、ボックス席などさまざまな座席を設置するほか、ラウンジや茶室、展望室なども設ける。「青い星」編成は「プレミアムクラス(上質)」とし、定員は200人程度の予定。全車に展望室や荷棚、大型荷物置場を設置する。

「赤い星」「青い星」編成の車内イメージ。【画像:JR北海道】

車両のデザインはドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治氏が担当。改造費は約18億円を見込む。運行開始時期は2026年春の予定。運行路線は「赤い星」編成がおもに釧網本線で、「青い星」編成はおもに富良野線での運行を予定している。このほか、北海道を周遊するクルーズトレインとしての活用も検討する。

JR北海道によると、同社はこれまでリゾート列車やSL列車、トロッコ列車などさまざまな観光列車を運行してきたが、これらの車両は老朽化で廃車になったものがあるほか、今後継続的に運行できる車両が少なくなってきている。このため車両・運行体系・サービスなどを一新した観光列車を運行することで北海道を活性化する「スタートレイン計画」をスタートさせることにしたという。

キハ141系は国鉄時代の1977年から1982年にかけ製造された50系客車のうち北海道向けの51形を改造した普通列車用の気動車。エンジンを搭載したキハ141形・キハ142形・キハ143形とエンジンがないキサハ144形の4形式ある。キハ143形は、1990年代前半に製造されたキハ150形気動車と同様の走行装置を搭載。1994~1995年に11両が製造された。

50系51形を改造したキハ141系。【画像:中村昌寛/写真AC】

キハ141系は2023年5月までに定期列車での運用を終了。一部の車両はJR東日本が釜石線のSL列車「SL銀河」用として譲り受けたが、これも2023年6月に運行を終了している。ほかにミャンマー国鉄が譲り受けている。

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