鉄道の車両基地に「バス」のテストコース JR西日本など「自動・隊列BRT」実証実験



JR西日本とソフトバンクの2社は9月27日、自動運転と隊列走行技術を用いたバス高速輸送システム(BRT)の実証実験を10月から始めると発表した。

野洲派出所の「自動運転・隊列走行技術BRT」テストコースのイメージ。【画像:JR西日本】

JR西日本の車両基地、網干総合車両所の宮原支所野洲派出所(滋賀県野洲市)の構内にテストコースを整備。複数台のバスが並んで自動運転で走る実験を行う。

まず自動運転に向けた車両の機能試験を開始。来年2022年春頃からは、3種類の自動運転車両を用いた隊列走行の試験を開始し、夏頃には乗降場への正着制御や車両の遠隔コントロールなどの運用面の試験を始める。2023年には専用テストコースでの自動運転・隊列走行(先頭車:ドライバー同乗、後続車:無人運転)の技術確立を目指す。

野洲派出所で工事中のテストコース。【画像:JR西日本】
複数のバスが自動運転で並んで走る隊列走行のイメージ。【画像:JR西日本】

BRTはバス専用道やバス専用レーン、交差点でのバス優先信号、連節バスなどの導入により、既存のバスより定時運転性や輸送力を強化する交通機関。専用道や専用レーンを使うタイプのBRTは、ほかの自動車や人の無断進入などによる不意のトラブルが発生しにくく、自動運転や隊列走行の技術が導入しやすいという利点がある。

2社は専用道の利点を生かして自動運転・隊列走行BRTを早期に実現させ、需要に応じた柔軟な輸送力の確保や低コスト化、運転手不足の解消などを目指す。テストコースでの実証実験を通して自動運転・隊列走行BRTの技術確立とシステムの標準パッケージ化を目指し、2020年代半ばをめどに次世代モビリティサービスとして社会実装を進めていくとしている。

《関連記事》
JR西日本とソフトバンク「自動運転・隊列走行BRT」開発 滋賀にテストコース整備へ
JR東日本の大型自動運転バス、BRT専用道で走行試験 既存車改造「レベル3」目指す