上野動物園モノレールの代替「新たな乗り物」4年後に導入へ ルートを一部変更



東京都建設局は11月7日、上野動物園の東園と西園を結ぶモノレール(上野動物園モノレール)に代わる「新たな乗り物」について、整備に関する基本方針を発表した。4年後の2026年度中の使用開始を目指す。

休止中の上野動物園モノレール。【撮影:草町義和】

基本方針によると、「新たな乗り物」は「コンパクトな乗り物(小型モノレール等)」を想定。上野動物園モノレールと「同等以上の輸送量を確保できる施設」とし、バリアフリーや環境負荷の低減、施設の維持管理や将来コストの負担にも配慮する。

「新たな乗り物」は小型モノレールなどを想定している。写真は韓国・インチョンの観光モノレール「月尾海列車」。【画像:Trainholic/wikimedia.org/CC BY-SA 4.0】

東園の新たな乗り場は上野動物園モノレールの東園駅舎とほぼ同じ位置に整備。西園の新たな乗り場は上野動物園モノレールの西園駅舎より不忍池側に移動した位置に設けるものとし、ルートが一部変更される。西園の駅舎には飲食店などを設置するスペースを併設する。

今後は乗り物を整備する事業者を2023年度に決定。2024年度から「新たな乗り物」の設計と工事を行い、2026年度から使用を開始する予定だ。現存する上野動物園モノレールの施設は原則として東京都が撤去するという。

上野動物園モノレールの位置。【画像:東京都】

上野動物園モノレールは全長0.3kmの懸垂式モノレール。建設局が管理し交通局が列車の運行を担っている。東京都が路面電車に代わる都市交通機関としてモノレールの導入を構想し、その実証実験的な路線として1957年に開業したが、都心部の公共交通として地下鉄が整備され、モノレールの導入は実現しなかった。

上野動物園モノレールは引き続き運行されたが、2010年代後半に施設の老朽化が課題となり、2019年10月限りで営業を休止。現在は無料の電気バスが東園と西園を結んでおり、東京都は「新たな乗り物」の検討を進めている。

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