多摩モノレール「北部延伸」軌道や駅の構造が判明 コスト縮減の工夫も



東京都と多摩モノレールは10月18日から、多摩モノレールの北部延伸に向け都市計画素案の説明会を予定ルートの沿線で行っている。軌道や駅の構造などが明らかにされた。

多摩モノレール北部延伸区間に設けられる駅のイメージ。【画像:東京都・多摩モノレール】

多摩モノレールの北部延伸は北側の終点・上北台駅(東大和市)から新青梅街道を西へ進み、JR八高線の箱根ケ崎駅(瑞穂町)を結ぶ約7kmの区間。途中、東京都内の市では鉄道などの軌道交通が唯一存在しない武蔵村山市を通る。都市計画素案では特殊街路(都市モノレール専用道)の新設と新青梅街道の現行都市計画からの変更(駅設置部などでの幅の拡大)が盛り込まれた。

多摩モノレール北部延伸区間のルート。【画像:東京都:多摩都市モノレール】

素案によると、モノレール区間は東大和市上北台1丁目地内~瑞穂町箱根ケ崎地内で延長約7010m。複線の軌道を高架式で整備する。駅は「No.1駅」(仮称)から「No.7駅」(仮称)まで7駅を新設。終点の「No.7駅」でJR箱根ケ崎駅に連絡する。

多摩モノレール北部延伸区間の平面図と縦断面図。【画像:東京都・多摩都市モノレール】

駅がない部分の軌道は高さ17m、幅が8m。原則として新青梅街道の中央部に複線の軌道を架設する。ただし箱根ケ崎アンダーパス付近では道路の北側に架設し、高さを13mに抑える。

北部延伸区間の横断面図(駅などがない部分)。新青梅街道の中央部に軌道を整備する。【画像:東京都・多摩都市モノレール】
箱根ケ崎アンダーパス付近では道路の北側に軌道桁を架設する。【画像:東京都・多摩都市モノレール】

駅は「No.1駅」から「No.6駅」まで新青梅街道の中央部に高架駅として整備する。駅設置部の幅は18mで高さが20m。改札があるコンコース階の上にホーム階を設ける2層式を採用する。多摩モノレールの既設駅はすべて相対式ホーム2面2線だが、北部延伸区間はコスト縮減などの観点から島式ホーム1面2線としてホームの数を減らす。ホームの長さは66mで4両編成に対応。幅は約8.5mになる。

「No.1駅」~「No.6駅」の横断面図。コスト縮減のため島式ホームを採用する。【画像:東京都・多摩都市モノレール】

終点の「No.7駅」はJR箱根ケ崎駅の東側を通る道路のさらに東側に設置。「No.7駅」とJR駅は現在のJR駅東口の駅前広場を挟む形となり、直接の連絡は図られない。東京都は現在の道路の幅が狭く交差点が連続しており、駅舎を設置する十分な幅を確保できないこと、また現在あるJR駅前広場の機能を維持する必要があるためとしている。

「No.7駅」をJR箱根ケ崎駅のほうから見たイメージ。JR駅とモノレール駅のあいだに駅前広場が挟まる形になる。【画像:東京都・多摩都市モノレール】

ほかの駅と同じ島式ホーム1面2線でホームの長さは66m。駅の上方が米軍横田基地の航空制限区域になるため、ホームとコンコースを同じ階に設ける1層式として高さを13mに抑える。幅は設置部全体で17.5m。ホームは7.5mになる。列車の折り返しのため必要な分岐器は、駅のホームがある場所から600mほど離れた新青梅街道上に設ける。分岐器設置部の幅は12m。

「No.7駅」は米軍横田基地の航空制限を受けるため高さを抑える。【画像:東京都・多摩都市モノレール】

説明会はこれまでに2回、武蔵村山市内で開催された。今後は10月21・22・24・25日に東大和市・武蔵村山市・瑞穂町の3市町で開催される予定だ。

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