東武線の鐘ケ淵駅付近「立体化の可能性」検討へ 事業候補区間に位置付け



東京都は9月28日、東武鉄道伊勢崎線(東武スカイツリーライン)鐘ケ淵駅付近(墨田区)の立体化を「事業候補区間」として位置付けたことを明らかにした。立体化の可能性を調査、検討する。

鐘ヶ淵駅の南側にある西口駅舎。【画像:以下略ちゃん/写真AC】

東京都によると、墨田区が鐘ケ淵駅付近のまちづくりの基本的な計画を策定するとともに、その具体化に向けて取り組んでいる。また、東京都は鐘ケ淵駅の南側を通る道路(補助120号線)の整備を進めており、墨田区も新たに交差する道路の整備に向けた準備を進めている。

こうした状況を踏まえ、都は鉄道立体化の可能性を検討する場所として鐘ケ淵駅付近を新たに事業候補区間に位置付けたという。

東武スカイツリーラインの鐘ケ淵駅の位置。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

鐘ケ淵駅南側の駅前には伊勢崎線第17号踏切があり、ここを中心に3本の道路が交差する複雑な配置になっている。第17号踏切のピーク時の遮断時間は41分で、いわゆる「開かずの踏切」。2004年に東京都が策定した踏切対策基本方針では、2025年度までに重点的に対策を実施・検討すべき「重点踏切」に指定された。

墨田区は2016年、同駅付近の鉄道立体化を盛り込んだ「鐘ヶ淵駅周辺地区まちづくり計画」を策定。2020年10月には墨田区の山本亨区長が東京都の小池百合子知事と意見交換し、鉄道を立体化して踏切の解消を図る連続立体交差事業(連立事業)の早期着手を要望していた。

東京都は9月28日の都議会本会議で「地元区や鉄道事業者と連携して積極的に取り組んでいく」と答弁した。

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