東武鉄道「高架化」2022年度の実施内容 計5カ所、引上線の高架化やホーム増強も



東武鉄道は線路を高架化して踏切の解消を図る連続立体交差事業(連立事業)について、本年度2022年度の実施内容をまとめた。4月28日に発表した設備投資計画で概要を明らかにした。

竹ノ塚駅南側の高架橋と踏切。3月に高架化され踏切が解消された。【撮影:鉄道プレスネット】

東武線で実施されている連立事業は5カ所。伊勢崎線(東武スカイツリーライン)では、とうきょうスカイツリー駅付近・竹ノ塚駅付近・春日部駅付近の3カ所で連立事業が実施されている。

竹ノ塚駅付近は3月に高架線と新駅舎の使用を全面的に開始し、2カ所の踏切が解消された。2022年度は地平設備などの撤去を進めるとともに引上線の高架橋工事を推進。2023年度の事業完成を目指す。

とうきょうスカイツリー駅付近は上り線の高架橋工事を引き続き進める。事業が完了すると1カ所の踏切が解消される。春日部駅付近は2021年に着工。2022年度は駅の東側で仮上り線ホームと東口仮駅舎の工事を推進する。事業が完了すると10カ所の踏切が解消される。

春日部駅東側に確保された連立事業の事業用地。【撮影:草町義和】

野田線(東武アーバンパークライン)では春日部駅付近のほか、清水公園~梅郷間で連立事業が実施されている。同区間は2021年3月に線路の高架化と踏切11カ所の解消が完了。2022年度は野田市駅の高架橋工事を推進し、2023年度中の新駅舎の使用開始とホームの増強(2面4線化)を目指す。

野田市駅の新駅舎のイメージ。【画像:東武鉄道】

東上線の大山駅付近は2021年12月に連続立体交差の事業認可を受けた。2022年度は東京都と施行協定を締結のうえ、工事着手に向け設計などを進める。事業が完了すると8カ所の踏切が解消される。

鉄道施設関係ではこのほか、駅舎の橋上化(七里駅)や駅舎のリニューアル(東向島駅・姫宮駅)、駅トイレのリニューアル(梅島駅・越谷駅・新柏駅・鎌ケ谷駅・ふじみ野駅・一本松駅)、バリアフリートイレの新設(おもちゃのまち駅)、ホームドア整備の推進などが2022年度の設備投資計画に盛り込まれている。

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