秋田港「クルーズ列車」3年ぶりに運行へ JR東日本、貨物線に直通



国土交通省の東北運輸局は4月15日、JR東日本が申請していた「秋田港クルーズ列車」運行のための鉄道事業を4月19日付けで許可すると発表した。貨物線に直通して秋田~秋田港間を結び、クルーズ客のアクセス向上を図る。

秋田港駅で発車を待つ「クルーズ列車」(2017年の試験運行)。【撮影:草町義和】

JR東日本が許可を受けるのは奥羽本線の貨物支線で土崎~秋田港間の1.8km。この区間はJR貨物の第1種鉄道事業線(線路を保有して列車を運行する事業)のため、JR東日本は特定目的(観光)旅客鉄道の第2種鉄道事業(線路を借りて列車を運行する事業)の許可を申請していた。

許可期間は5月13日~11月11日の期間限定で、運行本数は1日あたり2~8往復程度。運賃は200円を想定している。

秋田~秋田港間のルート。土崎~秋田港間を結ぶ貨物支線(赤)の許可を受けた。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】
秋田港に寄港したクルーズ船「ぱしふぃっく・びいなす」。【撮影:草町義和】

秋田港はクルーズ船の寄港地。秋田県と秋田市はクルーズ客の秋田市中心部方面へのアクセス改善を図るため、JR東日本にアクセス列車の運行を要請し、同社は2017年に期間限定の第2種鉄道事業許可を取得。同年8月の計4日間、秋田~秋田港間を直通する列車の試験運行が行われた。利用者は418人だった。

2018年度から本格的に運行が始まり、車両はクルーズ列車用に改造した気動車の2両編成を使用。秋田港駅には常設の旅客用ホームと待合室などが整備され、4~11月の計12日間に4813人が利用した。2019年度は運行日を4~11月の計18日間に拡大し、クルーズ客以外のイベント輸送も含め5485人が利用した。

2020年度以降はコロナ禍のためクルーズ列車としては運行されておらず、実際に運行されれば3年ぶりになる。

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