「運転席に誰もいませんよ」大型バス自動運転で日本初の営業運行 横浜の動物園周辺で



相鉄バスは10月、遠隔監視・操作による大型バス自動運転の営業運行を横浜市内で実施する。遠隔監視・操作システムを使った大型バス自動運転の営業運行は、日本国内ではこれが初めてになる。

相鉄バスが所有する自動運転対応の大型バス。【画像:相鉄バス・群馬大学・日本モビリティ・横浜市経済局】

運行区間は、よこはま動物園ズーラシア正門~里山ガーデン正面入口間の約900m。里山ガーデンで開催されるイベント「秋の里山ガーデンフェスタ」の開催期間(9月19日~10月18日)のうち、10月5・14日に行われる。相鉄バスが所有する自動運転バス(日野ブルーリボン ハイブリッド2SG-HL2ANBP 改)を使用し、各日14時台と15時台に、それぞれ2往復する計画だ。

このほか、10月6・7・12~14日の計5日は、運転席に運転手を乗せた状態で自動運転バスの営業運行を実施。10~15時台に1日10往復運行する。ただし12日は14~15時台、14日は10~12時台の運行となる。

自動運転バスの車検証上の定員は77人(座席は27席)だが、今回の営業運行では定員を各便25人とし、先着順での乗車。営業運行だが運賃は無料で、イベントの実行委員会がバスを貸し切る形になる。

自動運転大型バスの運行区間。【画像:相鉄バス・群馬大学・日本モビリティ・横浜市経済局】

相鉄バスは昨年2019年4月、群馬大学と大型バス自動運転の共同研究契約を締結。近年問題化しているバス運転手不足への対応策の一つとして、大型バスの「レベル4」(特定の条件下での完全自動運転)による営業運行を目指し、研究を進めている。

今年2020年7月の実証実験では、遠隔地に運転手がいて、運転席には誰もいない大型バスの自動運転に成功。これを受けて営業運行の実証実験を行うことになった。