JR東日本のBRT専用ICカード「odeca」全国対応に 「Suica」機能を追加



JR東日本の東北本部(旧・仙台支社)と盛岡支社は10月17日、同社のバス高速輸送システム(BRT)専用のICカード「odeca」をリニューアルすると発表した。全国相互利用に対応した交通系ICカードと同じタイプになる。

気仙沼線BRTのバス。【撮影:草町義和】

「odeca」は現在、気仙沼線BRTと大船渡線BRTのみ利用可能。新しい「odeca」はJR東日本が地方公共交通向けに提供している「地域連携ICカード」を採用し、「Suica」の機能を追加する。

これにより「Suica」エリアのJR東日本線や「Suica」と相互利用を行っている交通系ICカードエリアの鉄道・バスも利用できるように。「新幹線eチケット」「タッチでGo!新幹線」の利用や「JRE POINT」の登録も可能だ。全国相互利用に対応した交通系ICカードや「Suica」のマークがある店では電子マネーとして利用できる。

リニューアルは来年2023年7月の予定。これに伴い現在の「odeca」は6月末をもって使えなくなる。また1月以降、機器類の切替作業に伴い「odeca」定期券の発売が制限される。JR東日本は発売制限から「odeca」リニューアルまでの期間、磁気定期券を利用するよう求めている。現行「odeca」のチャージ残額の払い戻しなど詳細は今後案内される。

「odeca」は2013年にサービス開始。2015年からは「Suica」や「PASMO」など全国相互利用に対応した交通系ICカードで気仙沼線BRTと大船渡線BRTを利用できるようになったが、「odeca」でほかの交通系ICカードエリアの鉄道やバスを利用することはできない。2019年6月から盛岡中心市街地の循環バス「でんでんむし」で実証実験として「odeca」が利用できるようになったが、2021年1月に終了していた。

地域連携ICカードはJR東日本が展開している「2in1」のICカード。JR東日本のICカード「Suica」として使えるほか、バス定期券や各種割引などの地域独自サービス機能を加えることができる。これまでに東北地方や栃木県、群馬県のバスなどに導入されている。

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