豊肥本線4年4カ月ぶりに全線再開 熊本地震で被災、8月頃に肥後大津~阿蘇間が復旧へ



国土交通省の赤羽一嘉大臣は4月10日、熊本地震の影響で運休中の豊肥本線・肥後大津~阿蘇間の27.3kmについて、8月頃に運転再開の見通しを明らかにした。熊本と大分を結ぶ同線が4年4カ月ぶりに全線再開する。

運休中の豊肥本線・肥後大津~阿蘇間(赤)と南阿蘇鉄道・立野~中松間(青)。【作成:鉄道プレスネット編集部/『カシミール3D 地理院地図+スーパー地形セット』を使用して加工】

豊肥本線は2016年4月に発生した熊本地震の影響で、大規模な斜面崩壊や土砂流入、落石、地盤変状などの被害が発生。肥後大津~阿蘇間が現在も運休中だ。運休区間を含む肥後大津~阿蘇~宮地間では代行バスが運転(立野・瀬田両駅は通過)されている。JR九州は2017年4月から復旧作業を始めた。

JR九州が明らかにした最新の進ちょく状況によると、土木設備は約9割(51カ所のうち49カ所)の工事が完了。軌道設備も約4割程度(10km)の工事が完了し、軌道工事が完了したところから電気設備の工事も順次着手しているという。

災害復旧費の総額は約50億円。鉄道軌道整備法に基づく災害復旧補助制度を活用し、国と熊本県からそれぞれ4分の1を補助を受ける。

豊肥本線に並行している国道57号は、同線に続いて10月に開通の見込み。立野駅で豊肥本線に接続している南阿蘇鉄道も熊本地震の被害を受け立野~中松間の9.1kmが運休中だが、2023年夏の全線再開を目指し工事が進められている。