大井川鉄道の家山~川根温泉笹間渡「再開」10月ダイヤ改正、普通列車ほぼ半減へ



大井川鉄道(静岡県)は8月17日、水害で運休中の大井川本線・家山~千頭のうち家山~川根温泉笹間渡2.9kmの運転を10月1日に再開すると発表した。同時に普通列車を大幅に減便するなどのダイヤ改正を実施する。

大井川本線の家山駅。【撮影:草町義和】

蒸気機関車牽引のSL列車は、新金谷~川根温泉笹間渡で下り3本・上り1本(上りは家山始発)を設定。電気機関車が牽引するEL列車も川根温泉笹間渡→新金谷で上り2本を設定し、このうち1本は家山駅でSL列車に接続する。ほかにSL列車「きかんしゃトーマス号」も引き続き新金谷~家山で2往復が設定される。SL・EL列車の設定本数は、いまより1往復増える。

一方、運賃だけで乗車できる毎日運行の電車(普通列車)は「現状のご利用実態に合わせて」(大井川鉄道)ほぼ半分に減便しつつ、一部の駅のみ停車する列車種別を新設して速達性を高める。

普通列車の区間別運行本数は現在、金谷~新金谷が上下各12本、新金谷~家山が上下各10本。ダイヤ改正後は金谷~新金谷が上下各7本、新金谷~家山が下り4本・上り5本、家山~川根温泉笹間渡が下り3本・上り4本になる。このうち川根温泉笹間渡20時08分発の金谷行きは特別料金が不要の「区間急行」とし、途中駅は家山・代官町・新金谷の3駅のみ停車する。

また、毎週金曜日を中心に特別料金不要の「快速急行」を運行。下りの運行区間は新金谷→家山で途中駅は福用駅のみ停車。上りの運行区間は家山→金谷で福用駅と新金谷駅のみ停車する。

大井川本線の普通列車。【撮影:草町義和】

家山~千頭の鉄道代行バスは10月1日から、沿線の川根本町が運行主体のコミュニティバスに変わる。ただし、SL列車に接続する家山→千頭の鉄道代行バスを下り1本のみ設定し、SL列車の運行日に連動して運行される。井川線は運行時刻が変わるが、運行本数は変わらない。

大井川鉄道は今回のダイヤ改正について「沿線の島田市や川根本町と協議を重ねたうえで実施するもの」「SL列車運行を中心とした観光列車輸送で大井川流域に賑わいを創出していくという基本方針に変わりはありません」としている。

金谷~千頭の39.5kmを結ぶ大井川本線は昨年2022年9月、台風15号による水害で大きな被害が発生。同年12月までに金谷~家山17.1kmの運転を再開していた。今回のダイヤ改正で再開区間が金谷~川根温泉笹間渡の20.0kmに拡大するが、残る川根温泉笹間渡~千頭19.5kmは復旧に膨大な費用がかかることから再開のめどが立っていない。

大井川鉄道は今年2023年1月、自力での復旧は困難として静岡県などに支援を要請。同県は3月に「大井川鐵道本線沿線における公共交通のあり方検討会」を設置し、路線の存廃も含めた議論が行われている。

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