北海道新幹線の札幌延伸「中間4駅デザイン」決定 いずれもアンケート最多得票



延伸工事中の北海道新幹線・新函館北斗~札幌に設けられる中間4駅の駅舎デザインが決まった。鉄道・運輸機構が各駅ごとにA~C案の3案を作成し、昨年2023年10月までに駅が設けられる各市町に提示。各市町はアンケートなどを実施して一つの案に絞り、今年2024年4月までに推薦案を決定、または推薦案を鉄道・運輸機構に提出した。

函館本線・室蘭本線の長万部駅。写真右側に北海道新幹線の駅が設けられる。【撮影:草町義和】

いずれもアンケートで最多得票の案が選定されている。4駅の推薦案は次の通り。

新八雲駅(仮称):B案「雄大な大地と木立の美しさを感じる駅」

八雲町に設けられる新幹線の単独駅。アンケートの回答数は1588件。このうちB案の推す回答が最多の634件で全体の39.9%を占めた。B案の回答者は選定理由として「シンプルでモダンなデザイン」「落ち着きがある周囲の景観に邪魔にならない」などを挙げた。

新八雲駅のB案。【画像:鉄道・運輸機構】

長万部駅:A案「人と時代が交差する 次世代に繋がる駅」

長万部町に設けられる在来線併設駅。アンケートの有効回答数は701件で、このうち301件(43%)がA案を推した。回答者は「コンセプトが分かりやすい」「交差デザインが美しい」「古くから交通の要衝として発展してきた長万部らしい」などと評価した。

長万部駅のA案。【画像:鉄道・運輸機構】

倶知安駅:A案「倶知安の四季とつながる舞台の駅」

倶知安町に設けられる在来線併設駅だが在来線の函館本線は北海道新幹線の整備に伴い廃止される予定。アンケートの回答数1899件。このうちA案が848件(44.7%)を占めた。「要望したデザインコンセプトをよく表現している」「大開放ガラスの透明感が、周囲の自然と駅内の調和を生み出す」と評価した。

倶知安駅のA案。【画像:鉄道・運輸機構】

新小樽駅(仮称):A案「歴史の継承 ~小樽の歴史と懐かしさを後世に受け継ぐ品格のある駅~」

小樽市内に設けられる新幹線単独駅。アンケートの回答数は1487件。このうち818件(55%)がA案を推した。「小樽の歴史が感じられる品格・落ち着きのあるデザインが市民にも訪れる人にも長く親しまれる」「小樽の新たな玄関口に最もふさわしい」などの意見が寄せられた。

新小樽駅のA案。【画像:鉄道・運輸機構】
北海道新幹線のルート(赤=工事中)。【画像:鉄道・運輸機構】

鉄道・運輸機構は各市町が推薦したデザインに基づき、駅舎の設計を進める方針だ。

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