羽田空港アクセス線「空港新駅」工事に着手 難易度高い工事でメリットある方式を採用



国土交通省の関東地方整備局は12月8日、羽田空港で「羽田空港アクセス線(仮称)」の工事に着手したと発表した。

羽田空港の第3ターミナルから羽田空港新駅が設けられる第1・第2ターミナル方面を望む。【画像:tkmsk5/写真AC】

関東地方整備局が着手したのは羽田空港新駅(仮称)の工事。羽田空港の第2ターミナルに隣接するP3駐車場そばの道路の下に、駅のホームを含むトンネル構造物を開削工法で構築する。12月7日に着手した。

工事の発注では「ECI方式」を関東地方整備局の港湾空港工事で初めて採用した。ECI方式は設計段階から施工業者が参画して技術協力を行う方式。同局によると、この工事では道路の通行などを確保しつつ近接構造物に影響を与えないように施工する必要があるなど技術的な難易度が高いため、設計段階から施工者独自のノウハウを取り入れることができるECI方式を採用したという。

羽田空港内の羽田空港アクセス線の位置。【画像:国土交通省】
羽田空港新駅の平面写真(上)と縦断面図(下)。P3駐車場の脇を通る道路の地下にホームを設ける。【画像:国土交通省】

羽田空港アクセス線は東京都心と羽田空港を結ぶJR東日本の新線計画。東京都心と東京貨物ターミナル駅付近を貨物線の活用や短絡線の整備で結ぶ東山手・西山手・臨海部の3ルートと、東京貨物ターミナル駅と羽田空港新駅を結ぶアクセス新線で構成される。東京駅方面に連絡する東山手ルートとアクセス新線の計画が先行しており、JR東日本は6月に起工式を行った。

アクセス新線のうち羽田空港内の約2.4kmは関東地方整備局が空港施設として整備する計画で、今回の工事は9月に清水建設の土木東京支店と随意契約した。開業は2031年度の予定。

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