折尾駅高架化で姿消すホーム「鷹見口」訪ねるツアー 「SL人吉」客車、貨物線を走行



JR九州は3月5・6日の計2日、「SL人吉の客車で行く折尾駅鷹見口見学&貨物線乗車ツアー」(日帰り)を実施する。折尾駅周辺の高架化完了に伴い営業を終了する短絡線上の同駅ホーム(鷹見口)を見学。旅客列車が通常通らない貨物線も走る。

3月で使用終了になる折尾駅の鷹見口ホーム。【撮影:草町義和】

列車の時刻は博多10時35分頃発→門司港12時16分頃着・13時50分頃発→折尾14時25分頃着・15時05分頃発→博多16時50分頃着。往路は鹿児島本線を走り、復路は貨物線と福北ゆたか線を経由する。車両はSL列車「SL人吉」用客車の50系。ディーゼル機関車のDE10形が牽引する。

往路の折尾→門司港では、駅弁の立ち売りで有名な東筑軒の小南さんが乗車し、折尾駅の名物駅弁「かしわめし」を配布する。門司港駅では50系とDE10形の切り離し作業を見学するほか、駅の近くにある九州鉄道記念館も見学する。折尾駅では鷹見口と新しい1番線ホームなどを見学する。

行程は3月5・6日の両日とも同じだが、3月5日はオリジナル愛称版をプレゼント。3月6日はダンスユニット「SUPER★DRAGON」メンバーで鉄道マニアとしても知られる伊藤壮吾さんが同乗して沿線や駅舎の案内を行う。

旅行代金は両日とも1万4000円。JR九州トラベルデスクのウェブサイトで申込みを受け付けている。

折尾駅は日本初の立体交差駅として知られ、下層に筑豊本線ホーム、上層に鹿児島本線を設けていた。さらに鹿児島本線の黒崎方面から折尾駅前を通って筑豊本線の中間方面に抜ける短絡線もある。短絡線上には当初駅がなかったが、1988年に折尾駅のホームとして鷹見口が整備された。従来のホームとは離れた場所にあるため、列車の乗り換え時にはいったん改札を出て駅前を歩く必要がある。

しかし、折尾駅周辺の線路を全面的に高架化して踏切を解消する連続立体交差事業(連立事業)が2004年度にスタート。同時に筑豊本線のルートを変更して鹿児島本線・筑豊本線の駅構内立体交差を解消し、鷹見口もほかのホームと同じ場所に統合することになった。今年2022年3月12日のダイヤ改正にあわせて高架化が完了する予定で、鷹見口ホームは34年の歴史に幕を閉じる。

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