JR九州は8月24日、2020年度の線区別の利用者数や収入のデータを公表した。新型コロナウイルスの感染拡大や豪雨の影響を受け、全22線で大幅に減少した。
路線全体ベースで平均通過人員(旅客輸送密度)が最も多かったのは鹿児島本線で2万3187人。前年度2019年度(3万3740人)に比べ約32%減少した。九州新幹線は2019年度が1万8445人だったのに対し2020年度は55%減の8235人だった。
一つの路線を複数の区間に分けた線区別ベースでは、鹿児島本線の小倉~博多間が最多の5万6372人(2019年度は8万1627人)。最少は筑肥線・伊万里~唐津間の180人(2019年度は214人)だった。
旅客運輸収入(路線全体ベース)は、鹿児島本線が最も多く269億4200万円。2019年度は1位が九州新幹線(523億2500万円)、2位が鹿児島本線(442億2200万円)だったが、2020年度は九州新幹線の収入が大幅に減少して224億9200万円となったことから順位が入れ替わった。
JR九州はこのほか、旅客輸送密度が2000人未満の線区の収支状況も公表している。2020年度に2000人未満だった19区間の赤字額は66億円で、前年度より13億円強悪化した。
旅客輸送密度が2000人を下回る線区の多くはコロナ禍以前から減少傾向が続いている。同社は「コロナ禍だけでなく、今後更に人口減少や少子高齢化の影響を受けることを想定しておく必要があり、交通ネットワークを持続可能なものとするための取組みを進めていかなければならないと改めて感じた」としている。
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