常磐線の偕楽園駅「実質値下げ」営業キロ設定で 下り専用の臨時駅



JR東日本の水戸支社は10月21日、常磐線・赤塚~水戸にある下り列車専用の臨時駅「偕楽園駅」について、運賃・料金の算出基準となる「営業キロ」を設定すると発表した。これにより一部の区間で実質値下げされる。

常磐線の偕楽園駅。【画像:とちぎ/写真AC】

偕楽園駅は常磐線の起点・日暮里駅から113.4kmの位置にあるが、営業キロはこれまで設定されていなかった。このため同駅の先にある駅までの切符を買って下車するか、同駅の手前にある駅からの切符を購入して乗車する必要がある。たとえば東京駅から偕楽園駅まで(119.2km)利用する場合、偕楽園駅の一つ先にある水戸駅までの乗車券(121.1km、2310円)が必要だ。

来年2023年2月以降は営業キロの設定で東京(山手線内)→偕楽園の乗車券・特急券を購入できるようになり、運賃額は1980円に。実質的には330円の値下げになる。これ以外のおもな区間の運賃額(実質値下げ額)は、土浦~偕楽園が860円(130円)、偕楽園~水戸が150円(40円)、偕楽園~いわきが1690円(290円)。

偕楽園駅は上り線にホームがなく上り列車はすべて通過する。このため、偕楽園駅から下り普通列車に乗り水戸駅で上り特急列車に乗り換えて上野駅に向かう場合、水戸駅で改札を出なければ偕楽園→上野の乗車券と水戸→上野の特急券で利用可能。勝田駅から上り普通列車に乗り一つ先の赤塚駅で下り普通列車に乗り換えて偕楽園駅に向かう場合も、赤塚駅で改札口を出なければ勝田→偕楽園の乗車券だけで利用できる。

営業キロ設定後の切符の購入例。【画像:JR東日本】

偕楽園駅は日本三名園の一つとされる偕楽園の最寄駅。原則として同園のウメが見頃を迎える毎年2・3月頃に下り列車のみ臨時停車する。本年度2022年度の冬季計画では来年2023年の2月11・12・18・19・23・25・26日の各日9時10分~16時35分に開設され、下り特急「ひたち」「ときわ」や普通列車が臨時停車する。

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