ひたちなか海浜鉄道「延伸」国交相が許可 ひたち海浜公園アクセス、3年後開業目指す



国土交通省の鉄道局鉄道事業課は1月15日、ひたちなか海浜鉄道(茨城県ひたちなか市)が昨年2020年8月11日付けで申請していた湊線の国営ひたち海浜公園への延伸について、2021年1月15日付で国土交通大臣が許可したと発表した。

ひたちなか海浜鉄道の湊線を走る列車。【撮影:草町義和】

国交相が許可したのは、湊線の現在の終点・阿字ケ浦駅から「(仮称)新駅2駅」まで3.1kmの第1種鉄道事業。途中、阿字ケ浦駅の約600mのところに「(仮称)新駅1駅」を設ける。終点の「新駅2駅」は、ひたち海浜公園の西口付近に設けられる。線路の構造はおもに高架橋か盛土。「新駅1駅」駅とその前後は地平に線路を敷く。

国土交通省によると、この延伸計画で年間200万人以上が訪れるひたち海浜公園へのアクセスの多様化が図られ、鉄道を利用して公園を訪れる利用者の増加が見込まれる。同時に終点の「新駅2駅」に交通ターミナル機能を整備することで、交流人口の拡大や地域活性化が期待されるという。

湊線の延伸区間(赤点線)。【画像:国土交通省】

事業費は約78億円で、3分の1を事業者が負担。自治体が残り3分の2を負担する。この延伸区間の整備による経済効果(B/C)は30年で1.05、50年で1.18とされる。ひたちなか海浜鉄道は今後、2022年1月に工事施行認可を申請して着工する方針。3年後の2024年春の開業を目指す。