JR北海道「廃線跡の活用」6社の提案を採択 ドローンやワインカーブなど



JR北海道は4月12日、昨年2022年に提案を募集した石勝線夕張支線・日高本線の廃線跡の活用について、6社の提案を採択したと発表した。

2019年に廃止された石勝線の夕張支線。【画像:中村昌寛/写真AC】

採択した案件は、「トンネルのワインカーブとしての活用」「ミューラルアート(壁画)を活用した賑わいの創出」「ドローンの機体開発試験場、免許取得に向けた練習場としての活用」「キャンプ場、グランピング施設の開発」「太陽光発電事業」。応募数は30社の34件だった。

このうちドローン開発・練習場の提案は、ドローンのカテゴリ3飛行(目視外&補助者なし)の長距離飛行ができるフィールドとして廃線跡を活用。線路点検用のAIソフトウェアの開発フィールドとしても利用するという。

石勝線は夕張支線の新夕張~夕張が2019年に廃止。2021年には日高本線のうち災害運休区間の鵡川~様似も廃止された。JR北海道は両線区の廃線跡の有効利用の検討に着手。社外のアイデア・技術を取り入れるため、2022年8月から11月にかけ協業についての提案を募集した。

廃止される鉄道の多くは線路が1本の単線で幅が狭い。2車線道路などへの転用が難しく、遊歩道や自転車道として整備されることが多い。トンネルは気温変化が少ないことから、ワインカーブや酒蔵として再利用されるケースもある。

佐久間線(静岡県、未成線)の相津トンネル。ワインセラーとして使われている。【撮影:草町義和】

JR北海道は提案の募集に際し「かつての日高線(鵡川~様似間)・夕張支線を知る立場では、どうしても当時の記憶にとらわれた発想になりがち」「先人たちが開拓し発展してきた、まさに『オープン』な『イノベーション』を起こす土壌がある北海道。思いもかけない価値を生み出すポテンシャルが、この土地にはある」などとし、従来の活用策とは異なる提案を行うよう呼びかけていた。

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