沖縄「鉄道構想」11月にシンポジウム まちづくりがテーマ



沖縄県は11月7日、「沖縄鉄軌道とまちづくり ~駅を中心とした利便性の高い持続するまちづくりへ向けて~」と題したシンポジウムを那覇市内の複合商業施設「パレットくもじ」(ゆいレール県庁前駅に隣接)で開催する。開催時間は14~16時(13時30分開場)。

かつて沖縄本島にあった沖縄県営鉄道の気動車(ガソリンカー)。写真は沖縄に上陸した米軍が1945年に撮影したもの。【所蔵:沖縄県公文書館】

埼玉大学の久保田尚教授(都市計画・交通計画)が公共交通の役割について基調講演。さいたま市の「大宮駅グランドセントラルステーション化構想」について、同市の東日本交流拠点整備課長が事例紹介を行う。沖縄県はシンポジウムの開催について「鉄軌道の導入効果等について認識し、自動車交通量が多い沖縄県内における円滑な交通体系を考え検討し、今後の魅力あるまちづくりに活かしていくため」としている。

シンポジウムの参加申込用紙が沖縄県の「沖縄鉄軌道計画」ウェブサイトで公開されている。締切は10月28日。

沖縄本島にはかつて県営鉄道などがあったが沖縄戦で破壊され現存しない。2003年に那覇市内を縦断する沖縄都市モノレール線(ゆいレール)が開業し、2019年には浦添市内まで延伸された。

沖縄県は沖縄本島を南北に縦断する鉄軌道の整備を構想しており、今年2022年5月に決定した国の新しい「沖縄振興基本方針」にも盛り込まれた。内閣府のこれまでの調査では費用便益比が「1」以上になったことがなく、事業費の縮減や採算性の確保が課題になっている。

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