日高本線・鵡川~様似間が来年4月1日付けで廃止へ 水害不通から5年、JR北海道が届出

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JR北海道は10月27日、日高本線・鵡川(むかわ町)~様似(様似町)間116.0kmの第1種鉄道事業の廃止を国土交通大臣に届け出た。廃止予定日は来年2021年11月1日付けだが、実際には前倒しして同年4月1日付けで廃止される見込み。

日高本線の廃止される区間にある日高三石駅。【画像:まこりげ/写真AC】

日高本線は、室蘭本線の苫小牧駅から海岸沿いに南東へ進み、襟裳岬の約30km手前の様似駅に至る、全長146.5kmのローカル線。2015年1月、厚賀~大狩部間の線路脇で高波による土砂流出が発生し、同区間を含む鵡川~様似間が長期運休の状態に。バスによる代行輸送が続いている。

復旧には膨大な費用がかかることから、JR北海道は同区間の復旧を断念して廃止する方針を示したのに対し、沿線の自治体が廃止に強く反対。膠着(こうちゃく)状態が続いていたが、今年2020年10月に協議がまとまり、沿線自治体が鵡川~様似間の鉄道廃止・バス転換で最終合意した。

沿線自治体が廃止に合意していることから、国土交通大臣は廃止予定日の繰り上げを認める可能性が高い。繰り上げが認められた場合、JR北海道は来年2021年4月1日付けで鵡川~様似間を廃止するとしている。

JR北海道は残る苫小牧~鵡川間についても、上下分離方式(沿線自治体が線路施設を保有し、JR北海道が列車を運行する経営方式)の導入などを軸に地元と協議する方針を示している。

■国鉄時代も「廃止対象」だったが除外

日高本線の1日の平均通過人員(旅客輸送密度)は、国鉄時代の1977~1979年度で1709人だった。国鉄の経営悪化を受けて1980年に公布された日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(国鉄再建法)に基づく政令では、原則として旅客輸送密度が4000人未満の路線を鉄道廃止・バス転換の対象としており、日高本線も当時から廃止の可能性が高い路線だった。

しかし国鉄再建法の政令では、ラッシュ時の利用者が多かったり、代替道路が未整備だったりなど、バスへの転換が困難な路線は廃止対象から除外するとした規定も設けていた。日高本線の場合、「旅客一人当たりの平均乗車距離が30kmを超え、かつ、当該区間における旅客輸送密度が1000人以上」の除外規定に該当したことから廃止を免れ、1987年の国鉄分割民営化では、そのままJR北海道に引き継がれた。

しかし、沿線の過疎化や自動車交通へのシフトが進んだため、日高本線の利用者はさらに減少。2014年度の旅客輸送密度は272人まで落ち込んでいた。仮に災害による運休がなかったとしても、いずれ廃止の話が浮上していたと思われる。

近年、岩泉線(岩手県)や三江線(島根県・広島県)など、かつての国鉄再建法に基づく政令の除外規定により存続したJRローカル線の廃止が相次いでいる。今後もこれらの「除外規定」路線を中心に、JRローカル線の廃止が進みそうだ。

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