JR西日本・IRいしかわ鉄道・ハピラインふくいの3社は12月5日、各社線をまたぐ区間の一部に乗継割引を設定すると発表した。北陸新幹線・金沢～敦賀の延伸開業にあわせてJR並行在来線（北陸本線）の経営がIRいしかわ鉄道とハピラインふくいに分離される来年2024年3月16日から適用。運営会社が分かれることによる運賃の大幅な値上げを軽減する。
普通旅客運賃の場合、IRいしかわ鉄道線～ハピラインふくい線（境界：大聖寺駅）で乗継割引が設定されるのは、「金沢～加賀温泉各駅」～「牛ノ谷・細呂木」の区間と、「動橋・加賀温泉」～「牛ノ谷～福井各駅」の区間。
「動橋・加賀温泉」～「牛ノ谷・細呂木」の区間はIR・ハピラインの両社がそれぞれ自社区間の運賃に乗継割引を適用する。「金沢～粟津各駅」～「牛ノ谷・細呂木」はIRの乗継割引のみ適用。「動橋・加賀温泉」～「芦原温泉～福井各駅」の区間はハピラインの乗継割引のみ適用される。
加賀温泉～牛ノ谷9.8kmの場合、現在の運賃は200円。2024年3月16日以降は加賀温泉～大聖寺4.1kmの運営をIRが引き継ぎ、大聖寺～牛ノ谷5.7kmはハピラインふくいが引き継ぐ。両社の運賃をそのまま合算するとIR220円＋ハピライン220円＝440円で2倍以上の値上げになることから、乗継割引の適用により実際の運賃額は40円値上げの260円に抑える。
定期旅客運賃も同様に乗継割引を設定するが、通学定期は適用範囲を「金沢～加賀温泉各駅」～「牛ノ谷～福井各駅」に拡大する。
ハピラインふくいとJR西日本の普通旅客運賃は、ハピラインふくい線～JR越美北線（境界：越前花堂駅）で乗継割引を設定。「丸岡～福井・大土呂～武生各駅」～「六条～一乗谷各駅」の区間ではハピライン・JRの両社が割り引きし、「福井・大土呂」～「越前高田～計石各駅」の区間はハピラインふくいの乗継割引のみ適用する。
福井～六条の場合、現在は190円。北陸本線の経営分離後は運賃をそのまま合算すると320円だが、乗継割引の適用で10円値下げの180円になる。
定期旅客運賃も乗継割引が設けられる。通勤定期の適用範囲は普通旅客運賃と同じ。通学定期は適用範囲を「芦原温泉～福井・大土呂～武生各駅」～「六条～下唯野各駅」に拡大するほか、ハピラインふくい線～JR小浜線（境界：敦賀駅）でも「鯖江～南今庄各駅」～「西敦賀・粟野」と「武生～南今庄各駅」～「東美浜～若桜有田各駅」で乗継割引を適用する。
《関連記事》
・JR・IR・ハピ「連絡運輸」実施へ 2社またぎの切符OK、3社またぎは？
・IR・ハピライン「運賃認可」金沢～小松580円、福井～敦賀1140円