国土交通省の北陸信越運輸局長と中部運輸局長は12月4日、IRいしかわ鉄道とハピラインふくいの2社が申請していた旅客運賃の上限設定を認可した。北陸新幹線・金沢~敦賀の延伸開業(来年2024年3月16日)にあわせて2社が経営を引き継ぐ並行在来線(北陸本線)に適用される。
IRいしかわ鉄道は現在運営しているIRいしかわ鉄道線・倶利伽羅~金沢17.8kmに加え、北陸本線・金沢~大聖寺46.4kmをJR西日本から引き継ぐ。このため同社は現行運賃に設定がない距離帯(19~65km)を追加する形で上限運賃の認可を申請していた。普通旅客運賃の上限は金沢~小松が610円で、金沢~大聖寺は1020円。通勤定期旅客運賃の上限は1カ月の場合、金沢~小松が1万7860円、金沢~大聖寺が2万7680円になる。
ハピラインふくいは北陸本線・敦賀~大聖寺84.3kmの経営をJR西日本から新たに引き継ぐため、85kmまでの上限運賃の認可を申請していた。普通旅客運賃の上限は初乗り(3kmまで)が180円で、85kmまでは1820円。定期旅客運賃の平均割引率は1カ月の場合、通勤が52.7%、通学(大人)が76.4%、通学(高校生)が78.8%になる。
実際に適用される運賃(実施運賃)は、2社とも認可された上限運賃より安く抑える計画だ。2社が今年2023年10月の申請時に発表した実施運賃によると、IRいしかわ鉄道の普通旅客運賃は金沢~小松が70円値上げの580円、金沢~大聖寺が120円値上げの980円。ハピラインふくいの普通旅客運賃は敦賀~福井が150円値上げの1140円、敦賀~大聖寺が230円値上げの1750円になる。
《関連記事》
・金沢駅またぐ区間の一部「値下げ」IRいしかわ鉄道、経営区間の拡大に向け運賃申請
・ハピラインふくい運賃「現行の1.15倍」に 福井~武生は50円値上げ