さいたま市は1月28日、2022年度当初予算案を発表した。全体では前年度2021年度比で3.4%増の1兆915億6658万8000円。このうち一般会計は4.2%増の6373億円となった。地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線)の岩槻延伸の調査などにかかる費用は、2021年度の8倍近い1億5185万5000円を計上し、過去最大となった。
さいたま市は2023年度中には鉄道事業者に対し、延伸事業を実施するよう要請する方針。2022年度は地質調査や採算性の試算などを行い、要請で必要になる計画素案を作成する。このほか、中間駅周辺のまちづくりの調査も行う。同市の清水勇人市長は、2022年1月28日に開かれた記者会見で「計画素案をしっかり作成して、2023年度の要請につなげていきたい」と話した。
埼玉高速鉄道線は赤羽岩淵~浦和美園間14.6kmを結ぶ地下鉄線。終点の浦和美園駅から東武野田線が通る岩槻を経て東北本線(JR宇都宮線)の蓮田駅に延伸する構想があり、このうち浦和美園~岩槻間の先行整備が考えられている。昨年2021年5月には、埼玉県とさいたま市が岩槻延伸に向け連携、協力して取り組むことで合意した。
戦前にも蓮田~赤羽間を結ぶ鉄道が計画され、このうち蓮田~神根(現在の川口市石神)間が武州鉄道として1924年から1936年にかけ開業した。しかし神根~赤羽間は資金不足のため用地確保が難航。都心とは反対方向から開業したこともあって利用者が少なく、1938年に廃止された。
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