埼玉県とさいたま市は4月30日、埼玉高速鉄道線(地下鉄7号線、東京都・埼玉県)の岩槻延伸に向け連携、協力して取り組むことで合意したと発表した。
発表によると、延伸の早期実現を目指して「県市が密接に連携を図り、必要な役割を相互に果たしながら協働して取組を進める」としている。延伸計画の素案の作成や、関係者との調整事項の協議などについて、埼玉県とさいたま市が連携、協力して推進する。
埼玉高速鉄道線は赤羽岩淵~浦和美園間14.6kmを結ぶ地下鉄線。第三セクターの埼玉高速鉄道が運営し、東京メトロ南北線との相互直通運転を行っている。終点の浦和美園駅から東武野田線が通る岩槻を経て東北本線(JR宇都宮線)の蓮田駅に延伸する構想があり、このうち浦和美園~岩槻間の先行整備が考えられている。実現した場合、岩槻~永田町間はいまより11分短い55分程度になるとみられ、乗り換えも解消される。
国土交通大臣諮問機関の交通政策審議会は2016年4月、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」(交政審198号答申)を答申。埼玉高速鉄道線の延伸は「事業性の確保に課題がある」として現状では整備の重要度が低いことを示唆し、需要創出につながる沿線開発や交流人口の増加に向けた取り組みを進めたうえで事業計画の検討が必要との課題を示していた。
埼玉県・さいたま市の今回の合意では交政審198号答申が示した課題に対応するため、延伸区間の中間に設けられる駅周辺のまちづくりなどの取り組みを着実に進めるとしている。