南武線・向河原駅前踏切に「賢い踏切」12月頃に導入へ 遮断時間の短縮効果は?



JR東日本の横浜支社は5月20日、南武線の向河原駅前踏切(川崎市中原区)に「賢い踏切」と呼ばれる踏切警報時間制御装置を導入すると発表した。この装置を導入することで踏切の遮断時間を短縮し、踏切渋滞の緩和を目指す。

南武線の列車。【撮影:草町義和】

横浜支社は向河原駅前踏切の下り列車に対し「賢い踏切」を導入する計画。12月頃の導入を目指して工事を進める。同支社によると、朝ラッシュ1時間あたりで数分程度、踏切遮断時間の短縮が見込まれる。ただし短縮幅は日々の運行状況や列車の速度などにより変動するという。

「賢い踏切」は速度の異なる列車の種別ごとに遮断時間を調整するもの。駅に停車する列車に対して警報開始点を新たに設けることで通過列車と停車列車を判別し、停車列車に対する踏切警報時間を短縮することができる。

「賢い踏切」導入前と導入後のイメージ。【画像:JR東日本】

南武線は川崎市内の矢向~武蔵小杉間で線路を高架化する連続立体交差事業(連立事業)が計画されており、事業が完了すると9カ所の踏切が解消される。川崎市は2023年度末の都市計画決定と2024年度の事業認可を目指しているが、完成までには時間がかかることから「賢い踏切」の導入が計画された。

鹿島田駅前踏切と平間駅前踏切で「賢い踏切」が導入済み。川崎市の調査によると、平間駅前踏切は「賢い踏切」導入前の2020年10月7日でピーク時の遮断時間が52分だったが、導入後の2021年10月12日は8分短い44分に。最長遮断時間は6分短い4分、下り線1本あたりの遮断時間も28秒短縮され1分27秒になった。

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