近鉄の大容量蓄電池で「電力不足を解消」関西電力の取組に参加



近鉄は6月20日、関西電力が主導する「デマンドレスポンス」に参加すると発表した。電力の逼迫(ひっぱく)時には自社の変電所にある大容量蓄電池システムを使い、電力供給の安定化を図る。

近鉄奈良線の東花園検車区。この写真の右側に東花園変電所の大容量蓄電池システムがある。【撮影:草町義和】

デマンドレスポンスは、電力を消費する側が電力の供給量にあわせて消費電力を調整すること。近鉄は夏期(7~9月)や冬期(12月~翌年2月)の電力需給逼迫時に関西電力から要請があった場合、近鉄奈良線の東花園変電所(大阪府東大阪市)にある大容量蓄電地システムから放電して電車や駅、信号設備などで使う電力の一部をまかなう。これにより電力会社からの供給電力を減らし、市中への電力供給の安定化を図る。

東花園変電所の大容量蓄電池システム。【画像:近鉄】
通常時と電力逼迫時の流れ。【画像:近鉄】

近鉄によると、大容量蓄電池地システムは電力を最大3時間供給し続けることが可能。一般的な家庭の約2000世帯分の電力量に相当するという。同社は「この取組みを通じて、電力需給のひっ迫を解消し、安定供給の一助となればと考えています」としている。

《関連記事》
近鉄駅の仕事「リアル体験」20時間強、駅舎で4時間仮眠 小学生に「素敵な思い出」を
奈良県「近鉄奈良線の移設」「リニア接続線」検討予算の執行中止 新知事の査定受け