京成電鉄「高砂車庫」移転に向け協議・検討 東京都葛飾区2021年度予算



京成高砂駅の東側にある高砂車庫。【画像:たぐぱん/写真AC】

東京都葛飾区は、2021年度予算で「高砂駅周辺の街づくり」に4900万円を計上した。京成高砂駅の駅前広場やアクセス道路の検討、都市計画手続きなどを進めるほか、「鉄道立体化に伴う車庫移転等による大規模な土地利用転換の協議・検討」を行う。

京成電鉄の京成高砂駅の東側には車両基地(高砂車庫)がある。これを京成高砂駅から南東へ約400~800mの「高砂四丁目地区」に移転することが検討されており、1月に示された地区計画の変更原案に盛り込まれた。

高砂四丁目地区は高砂3・4丁目と細田4丁目の約13.8ha。老朽化した都営団地の撤去が進み、再開発の検討が進められている。変更原案によると、南側に住宅団地を集約し、西側に創出される用地には生活利便性を向上させる施設や公園などを整備する方向で検討中。東側の用地を高砂車庫の移転先として検討している。

高砂車庫(赤)の移転先として検討されているエリア(緑)の位置。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット編集部】

京成高砂駅から京成本線の江戸川駅付近の約3.4kmには踏切が13カ所にあり、そのなかにはピーク時の踏切遮断時間が40分以上の「開かずの踏切」もある。東京都は2008年6月、線路の立体化で踏切を解消する連続立体交差事業(連立事業)の事業候補区間に選定した。

しかし、京成高砂駅の東側に高砂車庫があり、連立事業を実施するためには同車庫の移転が課題となっている。葛飾区は昨年2020年8月に策定した「高砂駅周辺地区まちづくりガイドプラン」で、高砂四丁目地区への車庫の移転を盛り込んだ。

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