長崎市内の路面電車を運営する長崎電軌は12月20日、軌道運賃の上限変更認可を国土交通省の九州運輸局長に申請した。認可された場合、長崎電軌は来年2025年4月1日に運賃を値上げする。全体の増収率は7.2%。
普通旅客運賃の上限は現行140円のところ10円値上げの150円に改定。長崎電軌は認可後に設定する実施運賃も上限と同額の150円にするとしている。定期旅客運賃の上限は1カ月の場合、通勤が400円値上げの6030円、通学(高校以上)が340円値上げの5130円になる。
長崎電軌は3年前の2021年10月にも運賃を改定。普通旅客運賃は当時の130円から10円値上げして現在の140円に改定している。
同社によると、2023年度の利用者数はコロナ禍が本格化する前(2019年度)の約9割にとどまる。依然としてコロナ禍前の状況まで回復しておらず、今後もこの状況が続くと想定。また、物価の高騰や設備投資による経費の増加に加え、不足している運転士の流出防止のため賃金水準を上げる必要があり、引き続き厳しい経営状況が続く見通しという。
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