熊本の鉄道・バス5社、全国ICカード終了「1カ月前倒し」新決済の準備期間を確保



熊本県内の鉄道・バス5社などは9月30日、決済手段の変更に関するスケジュールを改めて発表した。全国交通系ICカードの終了を従来の予定より1カ月ほど早める。

熊本電鉄の電車。【撮影:草町義和】

対象の鉄道・バスは、九州産交バス・産交バス・熊本電鉄・熊本バス・熊本都市バスの路線バスと熊本電鉄の電車。これらは現在、決済手段として現金のほか地域限定ICカード「くまモンのICカード」と全国交通系ICカードを利用できる。

このうち全国交通系ICカードへの対応を11月15日限りで終了。4カ月後の来年2025年3月上旬からクレジットカードなどのタッチ決済を導入する。現金やくまモンのICカードは引き続き利用できる。

また、くまモンのICカードによるバス間やバス・市電の乗継割引などをタッチ決済にも拡大。フリー切符「わくわく1dayパス」のQRコード認証版を2025年春ごろに発売開始する。

各決済手段の廃止・導入スケジュール。【画像:九州産交バス・産交バス・熊本電鉄・熊本バス・熊本都市バス・共同経営推進室】

5社はこれまで、全国交通系ICカードの廃止時期を今年2024年12月中旬以降としていたが、タッチ決済に対応した機器類への入替など準備期間を確保するため、1カ月ほど前倒しすることにした。

産交バスの路線バス。【撮影:草町義和】

一方、熊本市電は現金と全国交通系ICカードに加えタッチ決済やQRコード決済にも対応済みだが、熊本市は全国交通系ICカードへの対応を2026年4月に終了する方針を固めていた。しかし市議会や市民から終了に反対する声が挙がっていることから、現在はチャージ機能などを省略した簡易型端末の導入も検討している。

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