大井川鉄道「創立100周年」でC56 135の動態化や南海6000系の導入目指す



大井川鉄道(静岡県)は8月4日、同社の創立100周年(2025年3月10日)に向け「創立100周年チャレンジプロシェクト」を実施すると発表した。新たに搬入した蒸気機関車「C56形135号機」の動態復元や新しい電車の導入を図る。

大井川鉄道に搬入されたC56 135。100周年プロジェクトにあわせ動態化を目指す。【画像:大井川鉄道】

大井川鉄道で実際に運用できる状態にある蒸気機関車は現在、C10形1両とC11形2両の合計3両。2019年頃から蒸気機関車の不具合によるSL列車の運転見合わせと電気機関車による代走がときおり生じている。

同社は兵庫県立播磨中央公園(加東市)で静態保存されていたC56 135を譲り受けて2月に搬入。同機の動態復元に取り組んでSL列車の運転安定化を図るとしている。また、2020年に南海電鉄から譲り受けた電車「6000系」も導入し、輸送力や輸送品質の向上を図るとしている。

創立100周年プロジェクトにあわせ制作されたロゴ。【画像:大井川鉄道】

現在の大井川鉄道は1982年の設立だが、これは大井川鉄道(旧)の子会社を存続会社として合併したことによるもの。大井川鉄道(旧)は1925年3月10日に設立され、1927年から1931年にかけ現在の大井川本線を開業した。戦後の1959年、中部電力の専用鉄道を引き継ぎ井川線として営業運転を開始。1976年から大井川本線で動態復元した蒸気機関車が牽引するSL列車の運転を行っている。

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