西武鉄道は昨年2020年12月21日、001系特急型電車「Laview(ラビュー)」の特徴などをPRするための動画を公開した。
西武鉄道が公開した「ラビュー」抜き打ち緊急調査の動画。【動画:西武鉄道】
「ラビュー」は2019年にデビューした西武鉄道の新型特急車両。昨年2020年には鉄道友の会のブルーリボン賞を受賞した。現在は池袋線・西武秩父線の池袋~西武秩父間を結ぶ特急「ちちぶ」などで運用されている。
この動画では「001系鉄道調査員」(001G)を名乗る背広姿の怪しげな集団が登場。「ラビュー」のブルーリボン受賞が本当にふさわしいかどうか、抜き打ちで緊急調査するというストーリーになっている。
001Gが西武鉄道社屋に入ると同社の車両部長が待ち構えており、「本日はお越しいただき、誠にありがとうございます」とあいさつ。どことなく笑いをこらえているような、微妙な表情が面白い。西武鉄道によると、この動画を企画したのは「ラビュー」の開発や管理に関わっている車両部で、出演者も西武鉄道や関係会社の社員という。
車両課長が001Gの「統括検査官」に「ラビュー」の資料を見せようとすると、「統括検査官」は「資料なんていわらないわ! 読んでるあいだに時間稼ぎされちゃ困るのよ。いますぐ電車を見せなさい」と、なぜか調査の重要ポイントである資料は無視し、オネエ言葉で激怒。「ラビュー」に乗り込もうとしたときに車体のロゴマークを見つけ出し、「何なのこれは」と車両部の社員を問い詰めて「ブルーリボンの受賞記念ロゴです」と返答されると、「だから何なのよ!」と激怒した。
こうした「ツッコミどころ」を挟みつつ、「ラビュー」の特徴である大きな窓など車内設備を紹介。空調装置を使って車内の空気を4~5分で循環させていることを説明し、新型コロナウイルスの感染拡大防止を意識した内容になっている。
西武鉄道の動画はフィクションだが、鉄道事業者に対する監査は実際に鉄道事業等監査規則(1987年運輸省令第12号)に基づき行われている。監査は保安・業務・会計の3種類。このうち保安監査では、車両や施設の取り扱いについて関係法令を守っているかどうかなどを調べる。
以前は鉄道事業者に監査日を事前通告したうえで行っていたが、2013年に発生したJR北海道の函館本線脱線事故を巡り、監査日の前にレールの検査記録が改ざんされていたことが発覚。2014年以降は抜き打ち監査も行われるようになった。