広島電鉄「被爆電車」特別運行、3年ぶり一般乗車 原爆投下日含む8月の4日間



中国放送(RCC)は6月20日、「被爆電車特別運行プロジェクト」の一般向け乗車体験を3年ぶりに再開すると発表した。実施日は広島・長崎への原爆投下日を含む8月6~9日の4日間。広島電鉄の路面電車で「被爆電車」こと650形の653号に乗り、原爆の被害が大きかった広島市の中心部を巡る。

広島電鉄の650形「被爆電車」。653号は1945年当時の塗装を復元した。【撮影:草町義和】

運行区間は広島駅~比治山下~皆実町六丁目~広電本社前~原爆ドーム前~広電西広島(折り返し)~原爆ドーム前。午前と午後の2回運行し、運行時刻は午前の部が広島駅10時30分発→原爆ドーム前11時55分着、午後の部は広島駅14時00分発→原爆ドーム前15時26分着になる。8月6日は午後の部のみ運行される。

広島駅停留場を出発して比治山線を走行。同線は兵員輸送の拠点だった宇品港への輸送力強化のため建設された歴史を持つ。皆実町六丁目停留場で右折し、被害の大きかった広島市中心部を経由。被爆3日後に運行を再開した西天満町(現在の天満町)~己斐(現在の広電西広島)を走って原爆ドーム前停留場まで戻る。

車内では電車の運行経路上の主要スポットについて、戦時中から戦後復興の歴史などを写真や映像、アナウンスで解説。RCCは「車窓からの平和な日常とシンクロして見ていただき、戦争の悲惨さを知り、平和の尊さを考えていただきます」としている。

乗車料金は大人(18歳以上)が1500円で、子供(小学生~高校生)は500円。事前申込制で7月15日までRCCのウェブサイトかはがきで受け付ける。申込み多数の場合は抽選。

米軍は太平洋戦争末期の1945年8月6日の朝8時15分、広島市の中心部に原爆を投下。放射線による急性障害が一定程度おさまった同年12月末までに、当時の広島市人口の4割程度にあたる約14万人が死亡したとされる。広島市内の公共交通も大きな被害を受けた。

653号と原爆ドーム。【画像:RCC】

広島電鉄の653号は1942年に製造された路面電車650形5両のうちの1両。1945年8月6日の朝は江波付近を走行中に被爆した大破したが、のちに復旧して2006年まで運行された。その後は車庫で保管されていたが、被爆70年を機にRCC「被爆電車特別運行プロジェクト」の貸切電車として2015年から運行を再開。塗装は1945年当時のものを復元した。

2019年までの5年間で約2700人が特別運行プロジェクトに参加したが、2020年と2021年の一般向けの乗車体験はコロナ禍を受け中止。653号が広島市内を走行する模様や車窓から広がる現在の広島の光景をライブ配信した。ライブ配信は今年2022年も8月6日の14時~15時30分に行われる予定だ。

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