西鉄が運賃値上げを3月に実施 定期券を除く一部距離帯、国の認可「不要」の範囲で



西鉄(西日本鉄道)は1月29日、鉄道運賃の変更を3月6日に実施すると発表した。一部の切符と距離帯について、国土交通大臣の認可が不要な範囲で値上げする。

西鉄天神大牟田線を走る列車。【撮影:草町義和】

値上げの対象となるのは、普通乗車券(現金)とICカード(SF利用のみ)、普通回数券など。定期券は変更しない。対象となる切符のうち、天神大牟田線は7~17kmの区間(現行250~350円)で10~20円値上げして260~360円に。貝塚線は4~11kmの区間(200~270円)で10~40円値上げして210~310円になる。

おもな区間では、天神大牟田線の西鉄福岡(天神)~春日原間(現行290円)が20円値上げの310円。貝塚線は貝塚~西鉄新宮間(現行270円)が40円の値上げで310円だ。

西鉄は定期券を含む総利用者(2019年度実績ベース)のうち、14%が運賃変更の影響を受けるとしている。

鉄道事業者が旅客運賃を設定する場合、国交相に上限運賃(運賃の上限額)の認可を申請し、認可を受ける必要があり、さらに実施運賃(上限運賃の範囲内で実際に適用する運賃)を国交相に届け出なければならない。実施運賃は認可された上限額の範囲内であれば、自由に値上げしたり値下げしたりすることが可能だ。

西鉄の鉄道運賃の場合、現在の実施運賃は上限運賃より安くなっているが、「新型コロナウイルス感染症の影響によりお客さまが減少しているなか、今後も安全・安心で持続的な輸送サービスを提供し続けるため」とし、実施運賃を上限運賃と同額まで値上げする形になる。このため国交相の認可を受ける必要がない。