「羽田空港アクセス線」環境アセス評価書案の縦覧始まる 8月下旬に説明会



東京貨物ターミナル付近を走る羽田空港アクセス線の列車のイメージ。【撮影:草町義和、加工:鉄道プレスネット編集部】

東京都環境局は8月3日、「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」の環境影響評価(環境アセスメント)の手続きの一環として、環境影響評価書案の縦覧を始めた。8月下旬には評価書案の説明会を実施する。

縦覧期間は8月3日~9月1日(土曜・休日を除く)。環境局総務部環境政策課や多摩環境事務所管理課、港区環境リサイクル支援部環境課、品川区都市環境部環境課、大田区環境清掃部環境計画課で実施している。港区・品川区・大田区の支所や出張所などでも縦覧図書の閲覧が可能だ。説明会の日時と場所は次の通り。

第1回:8月20日 19時~20時30分 グランパークカンファレンス301大会議室(港区)
第2回:8月21日 10時~11時30分 グランパークカンファレンス301大会議室
第3回:8月21日 13時30分~15時 グランパークカンファレンス301大会議室
第4回:8月24日 17時~18時30分 品川健康センター4階ホール(品川区)
第5回:8月27日 19時~20時30分 TRC東京流通センター第6会議室(大田区)
第6回:8月28日 10時~11時30分 品川フロントビル会議室B1会議室(港区)

意見書は9月16日まで持ち込みや郵送、電子メールで受け付ける。

羽田空港アクセス線は、田町駅付近・大井町駅付近・東京テレポート~東京貨物ターミナル付近~羽田空港間を結ぶJR東日本の新線計画。このうち田町~東京貨物ターミナル~羽田空港間12.4kmの東山手ルート・アクセス新線の計画が先行しており、JR東日本は2029年度の開業を予定している。

評価書案の平面図と断面図によると、田町駅付近に短絡線を整備。東海道線と羽田空港アクセス線の線路をつなぐ単線の地下トンネルを設ける。田町~東京貨物ターミナル間は複線の東海道本線貨物支線(大汐線)を改修して使用。東京貨物ターミナル~羽田空港間は複線の地下トンネルを建設し、羽田空港の第2旅客ターミナルビルのやや西側(第1旅客ターミナルビル寄り)に終点の羽田空港新駅(仮称)を設ける。

評価書案の平面図。田町~東京貨物ターミナル間は貨物線を改修し、田町駅付近は短絡線を整備。東京貨物ターミナル~羽田空港間は新線を建設する。【画像:JR東日本】
評価書案の縦断面図。田町駅前後の短絡線と東京貨物ターミナル~羽田空港新駅間は地下を通る。【画像:JR東日本】

都条例に基づく環境アセス手続きは2019年5月に調査計画書が公表。今年2021年4月、JR東日本はトンネルの構造を変えるなど計画の一部変更を届け出た。評価書案の受付は今年2021年7月15日付け。

鉄道法規上の手続きでは今年2021年1月、アクセス新線の東京貨物ターミナル~羽田空港新駅間5.0kmの第1種鉄道事業許可をJR東日本が取得した。工事施行認可の申請期限は来年2022年1月。

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