長崎電軌が運賃値上げを申請、140円に 10月から



長崎電軌の路面電車。【撮影:草町義和】

長崎市内の路面電車を運行している長崎電軌は6月23日、国土交通省の九州運輸局長に軌道運賃の上限運賃変更認可を申請した。認可された場合、10月1日から運賃を値上げする。

申請した上限運賃(大人)は、普通旅客運賃が140円。いまより10円の値上げになる。特殊旅客運賃(1日乗車券)も100円高い600円。定期旅客運賃は通勤・1カ月の場合で400円高い5630円だ。軌道事業者は上限運賃の範囲内で実際に適用する運賃(実施運賃)を設定できる。長崎電軌は認可後、上限運賃と同額の実施運賃を届け出る方針だ。

長崎電軌によると、少子高齢化や若年層の県外流出による人口減少などで、地元利用者の減少が続いている。一方で動力費や設備維持管理費のほか、交通バリアフリー法に対応するための超低床式車両の導入、変電所の更新、停留場の改良などにより、今後も「非常に厳しい経営状況」が見込まれている。このため同社は収支改善を図るため、運賃値上げを申請したという。

《関連記事》
長崎電軌の路面電車1051号「1960年代の西武園」へ もと仙台市電、エントランスで展示
長崎の7社局、西鉄ICカード「ニモカ」導入 長崎スマートカードからの移行進む
西鉄が運賃値上げを3月に実施 定期券を除く一部距離帯、国の認可「不要」の範囲で
北総鉄道「運賃値下げ」検討へ 東京と千葉ニュータウン結ぶ通勤路線