首都圏の電車を走らせる「新潟のJR発電所」地元の公共施設にも電力供給



JR東日本などは2月12日、新潟県の十日町市と小千谷市にある公共施設に再生可能エネルギー100%電力を導入すると発表した。両市に立地するJR東日本の水力発電所「信濃川発電所」で発電した電力を供給する。信濃川発電所は基本的にJR東日本が鉄道事業で使用する電力のみ発電しており、地元自治体の公共施設に電力を供給するのは初めてという。

信濃川発電所(小千谷)の山本調整池ダム。【画像:これこれ/写真AC】

JR東日本が小売電力事業者のUPDATERを通じ、十日町市と小千谷市の公共施設に電力を供給する。供給先は両市の庁舎や小中学校、体育施設、上下水道施設、衛生関係施設など合計77カ所。まず4月1日に十日町市で導入し、6月1日には小千谷市でも導入を開始する。

信濃川発電所からの電力供給の流れ。【画像:十日町市・小千谷市・JR東日本・UPDATER】
信濃川発電所から電力が供給される公共施設の例(小千谷小学校)。【画像:十日町市・小千谷市・JR東日本・UPDATER】

JR東日本は「自営電力」として水力発電の信濃川発電所と火力発電の川崎発電所を所有。発電した電力は電車の運行などで使用している。同社の使用電力量のうち6割近くは自営電力。首都圏に限れば8割近くを自営電力が占めている。2011年の東日本大震災による電力不足では東京電力に電力を融通した。

信濃川発電所は信濃川流域にある十日町市の千手発電所と小千谷市の小千谷発電所・小千谷第2発電所で構成される水力発電所。国鉄時代を含む1939年から1990年にかけて整備された。発電した電気は首都圏のJR線を走る電車や上越新幹線、上越線などに供給している。

山手線など首都圏のJR線で運行されている電車の電気は新潟県内の水力発電所で発電されている。【撮影:草町義和】

十日町市と小千谷市は「ゼロカーボンシティ」の実現に向けた地球温暖化対策実行計画を策定。2013年度を基準年度とした場合、十日町市は2030年度までに二酸化炭素(CO2)排出量を46%減らし、小千谷市も50%削減することを目指している。JR東日本などによると、今回の取り組みによりCO2排出量を両市合計で年間約5500t削減できる見込みといい、地球温暖化対策に大きく寄与するとしている。

《関連記事》
JR北海道「廃線跡で作る電気」列車の運行に使用 日高本線の線路敷にメガソーラー整備
山手線の電車に「次世代の制御装置」試験搭載 客室の拡大に大きな効果
羽田空港アクセス線(東山手ルート・アクセス新線):田町~羽田空港(未来鉄道データベース)