アフガニスタン南北結ぶ鉄道「軌間」承認 周辺国は異なる三つの軌間



アフガニスタンのタリバン政権はアフガニスタンの東部を南北に縦断する鉄道計画について、2本のレール幅(軌間)を1520mmの広軌で整備する方針を固めた。

アフガニスタンに隣接するウズベキスタンの鉄道。軌間は1520mmの広軌を採用している。【撮影:草町義和】

10月20日の閣議で承認された技術報告書では、北部のハイラタンから南部のスピンボルダックまでの鉄道の軌間を1520mmに設定。ただし1435mmの標準軌も検討するとしている。

アフガニスタン周辺国の鉄道の軌間は、ウズベキスタンなど旧ソ連の中央アジア諸国が1520mmを採用。イランや中国は1435mm、パキスタンは1676mmの広軌を採用している。アフガニスタンで軌間を統一して整備すると、直通運転できる国とできない国が生じる。

ハイラタンはウズベキスタン国境近くの町で、ウズベキスタンのテルメズからハイラタンを経てマザリシャリフに至る鉄道が1520mmですでに整備されている。スピンボルダックはパキスタン国境近くにあり、国境を挟んで隣接するパキスタン側のチャマンには1676mmの鉄道がある。

アフガニスタンの鉄道構想(緑)と周辺国の鉄道(赤=1520mm、黒=1435mm、黄=1676mm)。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

タリバン政権は、ハイラタン~スピンボルダック鉄道がウズベキスタンから乗り入れている既存の鉄道を延伸する形になるのに加え、旧ソ連の中央アジア諸国との関係強化のため1520mm軌間の採用を決めたとみられる。

一方、イランからアフガニスタンに乗り入れている鉄道は1435mmで整備が進む。アフガニスタンで1435mmの鉄道と1520mmの鉄道の整備が並行して進んだ場合、両軌間の鉄道が接続する地点で旅客の乗り換えや貨物の載せ替えが生じることになり、交通・物流面で大きな障害になる可能性が高い。技術報告で1520mmを基本としつつ1435mmの検討の余地も残したことは、こうしたことも背景にありそうだ。

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