黒部ルートの一般開放、新名称は「黒部宇奈月キャニオンルート」地名の順序を変更



富山県は9月5日、黒部峡谷と立山黒部アルペンルートを結ぶ新しい観光ルートの名称が「黒部宇奈月キャニオンルート」に決まったと発表した。2024年に一般開放される予定。

黒部ルートの新名称「黒部宇奈月キャニオンルート」。【画像:富山県】

名称は2021年9~10月に一般から募集。7049件の応募があった。この募集では自由記入のほか「宇奈月黒部キャニオンルート」「黒部宇奈月ヒストリアルルート」の二つから選ぶこともできるようになっており、決定案は「宇奈月黒部キャニオンルート」をベースに「宇奈月」と「黒部」の順序を入れ替えた格好になっている。

富山県は「北陸新幹線の駅名でも慣れ親しんだ『黒部宇奈月』をはじめ、県内外にも広く知られる『黒部』と、温泉地として有名で言葉の響きも良い、宇奈月温泉の『宇奈月』を名称にいれる案を数多くいただきました。また、多くの方から峡谷の意味を持つ『キャニオン』のついた名称案の応募もいただいた」として、「黒部宇奈月キャニオンルート」を選定したとしている。名称は新観光ルートを通る旅行商品の名称として使われる。

富山県は今後、重点地域を設定してPRを強化するとともに、旅行商品の造成に向け準備を進めるとしている。

新観光ルートは現在「黒部ルート」と呼ばれているもの。黒部峡谷鉄道の終点・欅平駅から黒部川の峡谷地帯を南下し、黒部ダムに至る全長約18km。全線ほぼトンネルでトロッコタイプの専用鉄道や貨物用ケーブルカーのインクライン、道路で構成される。

黒部ルートで運行されているトロッコタイプの専用鉄道(上部軌道)。【撮影:草町義和】
黒部ルート(黒部宇奈月キャニオンルート)の位置。【画像:カシミール3D地理院地図+スーパー地形、加工:未来鉄道データベース】

現在は関西電力の物資輸送ルートで通常は関係者以外通行できない。富山県は観光開発の促進を目的に一般開放を目指し、2018年に関西電力と協定を締結。安全対策工事を実施したうえで一般開放されることが決まった。

新観光ルートの名称は今年2022年1月にも発表される予定だったが、一部の関係者が地名の順序に難色を示したとみられ、発表が大幅にずれ込んだ。

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