一畑電車「100万円の黒字」目指す 再構築計画認定、新車やキャッシュレス導入も



国土交通省の中国運輸局長は6月24日、島根県と松江市、出雲市、一畑電車が地域交通法に基づき申請していた一畑電車の鉄道事業再構築実施計画を認定した。公的支援の拡充により鉄道の維持を図る。

一畑電車の列車。【画像:Saffron/写真AC】

再構築実施計画では、いわゆる「みなし上下分離方式」を採用。島根県・松江市・出雲市が鉄道施設などの整備費と維持管理費を全額負担する。松江市と出雲市は固定資産税の相当額も負担する。

利用者の利便確保にかかる事業費は合計80億6000万円で、社会資本整備総合活用金を活用。線路設備の改良(68億1000万円)や新型車両の導入(12億5000万円)を行う。新型車両は「現在の老朽化した鉄製車両に代わり、省エネ性能の高い車両」を3両導入する計画だ。一畑電車では新型の8000系電車が2024年度に1両導入されており、2026年度までに3両が増備される計画。この3両が再構築実施計画の対象になる。

このほか、交通系ICカードやQRコードによるキャッシュレス決済への対応。イベント列車の運行による鉄道の魅力向上などにも取り組む。

一畑電車の再構築実施計画のスキーム。【画像:国土交通省】

再構築実施計画の対象となる一畑電車の鉄道路線は、北松江線・松江しんじ湖温泉~川跡~電鉄出雲市33.9kmと大社線・川跡~出雲大社前8.3km。両線とも利用者の減少などで厳しい経営が続いている。2023年度は年間輸送人員が134万人で、輸送密度は北松江線が1579人、大社線が1104人。運行収支は5700万円の赤字だった。

再構築実施計画の計画期間は2025年7月1日~2035年3月31日の10年間。一畑電車は計画最終年度(2034年度)の年間輸送人員を2023年度より6万多い140万人とし、運行収支を100万円の黒字にすることを目指す。

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