一畑電車の新型車両「8000系」車内外のデザインなど発表 デュアルシート採用



一畑電車(島根県)は新型車両「8000系電車」の概要を12月3日までに発表した。同社が2016年に導入した7000系をベースとしつつ、デュアルシートを採用するなどの改良を加えた。

8000系の外観イメージ。【画像:一畑電車】

両運転台の電車で長さ20.8m。単車運転を基本としつつ貫通ドアを設け、ほかの車両との連結運転にも対応する。車体はステンレス製だが先頭部は鋼製。外板はステンレス車体の特性を生かすためラッピングを行わず、車体下部にオレンジ色のラインのみ施す。

走行装置は交流モーター2台を駆動する「0.5車システム」を採用。VVVFインバーター制御と回生ブレーキを採用する。これにより使用電力量は5000系電車に比べ約2割削減する。パンタグラフは2基設置し、冬季低温時の停電防止を図る。

座席はロングシートを基本としているが、一部の座席はクロスシートにも転換できるデュアルシートを採用。通勤利用と観光利用の双方に対応する。床や化粧板、座席モケットの色・柄などは落ち着いた配色にするという。

車内のイメージ。座席はロングシートを基本としつつ一部はクロスシートにも転換できるデュアルシートを採用する。【画像:一畑電車】

このほか、車内には次の停車駅の案内表示器や防犯カメラ(3カ所の予定)を設置。案内表示器は日本語・英語・韓国語・中国後(繁体字・簡体字)を表示してインバウンドに対応する。

まず本年度2024年度中に1両(8001号車)を導入。来年2025年3月2日の営業運転開始を予定している。その後も来年度2025年度に1両、2026年度に2両を導入する計画だ。

8001号車の導入に先立ち、5000系電車の2両1編成(5010+5110号編成)が引退。2025年1月11~13日にさよならイベントが行われ、1月14日からアスベストの除去を含む解体工事に入る。

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