山陽本線・向洋駅付近の高架化「3年遅れ」事業費も1.6倍近くに



JR山陽本線の向洋駅(広島県府中町)付近で実施されている高架化工事の完了が3年ほど遅れる見込みになった。事業費も1.6倍近く膨れあがる。

これまで仮線の敷設・切替を中心に進められてきた向洋駅付近の高架化工事。【画像:やまちゃん2000/写真AC】

この高架化工事は広島県や広島市を事業主体とする広島市東部地区連続立体交差事業の第1期区間。向洋駅とその前後の区間を含む約2.0kmを高架化し、踏切7カ所を解消する。2019年10月の都市計画事業認可を経て2020年から工事に着手した。今年2025年1月までに仮線への切替を3回実施。本年度2025年度中には4回目の仮線切替を実施し、高架橋の工事に着手する予定だ。

現行計画では2030年春ごろに高架化を完了する予定だった。広島県が2025年6月18日に明らかにした事業の進捗状況などによると、コロナ禍の影響で用地買収や地下埋設物の移転などが約1年9カ月遅れた。さらに詳細設計による工程の精査などを行ったところ約1年3カ月増加。この結果、高架線の使用開始は現行計画より3年遅れの2033年春ごろの見込みになった。

事業費は現行計画(447億円)の1.6倍近い約700億円に膨らむ見込み。鉄道施設関係は約210億円、道路施設関係は約40億円増加する。鉄道施設は建設資材や人件費の上昇などで約190億円増加するほか、時間外労働規制に伴う週休2日制工事などにより約35億円増加する。一方で工事により発生するバラストの盛土材への転用と杭径・杭長の縮小などで約15億円減少する。

道路施設関係も資材・人件費の上昇で約15億円増加。工事ヤードの借地などで約10億円増える。ほかにも地下埋設物の移転などで約5億円、周辺道路整備などで約2億円増加するという。

広島市東部地区連続立体交差事業の事業区間(赤=第1期区間、緑=第2期区間)。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

広島市東部地区連続立体交差事業では、山陽本線・呉線の海田市駅付近を高架化する第2期区間も計画されている。第1期区間の工事の遅れで第2期区間の工程や事業費にも影響が出るとみられる。

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