国土交通省の鉄道局は9月6日、今年2024年の「日本鉄道賞」の受賞者が決まったと発表した。JR西日本の「特急『やくも』~沿線の文化・風景・自然とお客様、鉄道が交感する列車~」を大賞に選んだ。
岡山~出雲市を結ぶ特急「やくも」は4月に新型車両の273系電車が導入。異常挙動検知システムの導入や車上型制御付き自然振子方式によるカーブ通過時の快適性の向上を図るなど「革新的な技術」(鉄道局)を多数採用し、車内にも半個室空間のセミコンパートメントを設けて家族・グループ旅行を楽しめるようにしたことなどが評価された。
このほか、選考委員会による特別賞として、Rail DiMeC研究会の「鉄道の災害医療への活用(病院列車構想)」、JR九州の「ATS-DKをベースとしたGOA2.5自動運転実現について」、宇都宮市・芳賀町・宇都宮ライトレールの「HELLO,NEW CITY. 芳賀・宇都宮LRTライトライン」、東武鉄道の「『挑戦』と『協創』により沿線地域のすばらしさを発信する 新たなフラッグシップ特急~プロジェクト『SPACIA X』~」が選定された。
日本鉄道賞は10月14日「鉄道の日」創設の趣旨に基づき、国民に鉄道への理解と関心を深めてもらって一層の発展を期することを目的に、2002年に創設された。国交省の鉄道局長や有識者で構成される日本鉄道賞表彰選考委員会が選定する。今年2024年の23回目は22件の応募があり、このうち7件をヒアリング対象としてスクリーニングし、応募者へのヒアリングなどを経て大賞と特別賞が決定した。
《関連記事》
・東武鉄道N100系「2024年ブルーリボン賞」に 「多くのファクターが高水準」
・ライトラインHU300形「2024年ローレル賞」に 「改善望まれる」異例の意見付き