近鉄の団体専用列車「楽」個人利用OKの臨時列車として運行 リニューアル後初



近畿日本鉄道(近鉄)は9月2日、団体専用列車用の20000系電車「楽」(4両編成)を個人でも利用できる一般臨時列車として運行すると発表した。リニューアル後の「楽」が一般臨時列車として運行されるのは、これが初めて。

近鉄の団体専用列車「楽」。【画像:近鉄】

運行日は9月19~22・26・27日の計6日。各日とも大阪上本町~五十鈴川間を1往復する。停車駅と時刻は次の通り。

●往路
大阪上本町9時28分発→鶴橋9時31分発→大和八木10時10分発→伊勢市11時46分着→宇治山田11時48分着→五十鈴川11時53分着

●復路
五十鈴川16時34分発→宇治山田16時37分発→伊勢市16時39分発→大和八木18時26分着→鶴橋19時16分着→大阪上本町19時19分着

往路は大阪上本町~大和八木間のみ乗車可能で、復路は五十鈴川~伊勢市間のみ乗車できる。

乗車に際しては乗車区間の乗車券のほか、「臨時列車『楽』利用券」(大人400円・子供200円)が必要。着席は保証されるが座席指定はない。「楽」の定員は164人だが、客同士の密接を避けるため各日70人分のみ発売。9月8日5時30分から月27日まで、特急券を発売している近鉄の主要駅で購入できる。

「楽」は1990年、修学旅行向けの20100系電車「あおぞら」の老朽化に伴い製造された、団体列車用の電車。客室は「あおぞら」が2階建てだったのに対し、「楽」は床を高くしたハイデッカーを採用した。デビューから30年が経過した今年2020年、リニューアルされた。

前面展望を楽しめる運転室後方にはフリースペースを設置。【画像:近鉄】

近鉄によると、車体は日本古来の漆の色をモチーフとした「漆メタリック」をベースとし、「地のにぎわい」を表現する5種類の色柄をアクセントに加えた。前面展望が楽しめる先頭車の運転室後方にはフリースペースを設置。階下室にも天然木フローリングのフリースペースを設け、靴を抜いてくつろげるようにした。シートは5種類の色柄を使用するとともに、先頭車のサロン席と中間車の座席には天然木の大型テーブルを採用している。

木のフローリングを採用した階下のフリースペース。【画像:近鉄】
中間車の座席。【画像:近鉄】
先頭車のサロン席。【画像:近鉄】