山陽本線・向洋駅付近「高架化工事」仮線整備が最終段階へ



広島県はJR山陽本線の向洋駅(府中町)付近で実施している連続立体交差事業(連立事業)の進捗状況を5月23日までに明らかにした。仮線の整備が最終段階に入っており、これが完了すれば高架橋の工事が本格化する。

広島エリアの山陽本線で運用されている227系。【撮影:草町義和】

山陽本線の向洋駅付近は山陽・呉線の上下線と貨物線の上下線で構成される複々線。まず2023年4月に山陽・呉線の上り線が仮線に切り替えられた。続いて昨年2024年2月に貨物線の上り線が仮線に切り替えられ、今年2025年1月には貨物線の下り線が仮線に切り替えられている。

向洋駅付近の高架化の工事手順。現在は仮線工事の「STEP.2」が最終段階に入っている。【画像:広島県】

現在は山陽・呉線の下り線の仮線が敷設工事中で、本年度2025年度中に切り替えられる予定。これで仮線工事が完了し、続いて高架橋本体工事に着手する予定だ。

青崎第10踏切から天神川方面を望む。写真中央に敷設工事中の山陽・呉線の下り線の仮線が見える。【画像:広島県】

このほか、向洋駅では約80年にわたり使われていた跨線橋が2024年9月30日深夜から翌朝にかけて撤去された。

向洋駅で約80年間にわたり使われた旧跨線橋。【画像:広島県】
骨組みだけになった旧跨線橋。【画像:広島県】
クレーンで持ち上げられて撤去された旧跨線橋。【画像:広島県】

この連立事業は山陽本線・安芸中野~海田市~向洋~天神川のうち約3.9kmと呉線・矢野~海田市のうち約1.2kmを高架化し、踏切16カ所を解消するもの。現在は向洋駅とその前後の第1期区間(約2km)で工事が進められている。第1期区間の完成は2030年度の見込み。

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