東武東上線・大山駅の高架化「まもなく工事着手」へ 工事中の改札口どうなる



東武鉄道などは、東武東上線の大山駅付近(東京都板橋区)で実施する連続立体交差事業(連立事業)の工事にまもなく着手する。関係各者は工事着手に先立ち工事説明会を実施する。

東武東上線の大山駅。【画像:エルエルシー/写真AC】

この連立事業は、都道317号環状6号線(山手通り)との立体交差部の東側(板橋2丁目)から大山駅を経て中板橋駅の東側(仲町)まで約1.6kmを事業区間として線路を高架化するもの。東上本線第10号踏切から東上本線第18号踏切まで8カ所の踏切を解消する。

高架化区間の平面図(上)と縦断面図(下)。【画像:東武鉄道など】

高架橋は複線で高さが約2~11m、幅は約10m。大山駅から池袋方面は高架橋の北側に幅6mの側道も設ける。大山駅は相対式ホーム2面2線の高架駅を採用。高さが約16m、幅は約20~26mになる。

高架橋の横断面図(点線は現在の線路の位置)。仮線工法で高架橋を建設する。【画像:東武鉄道など】
大山駅の横断面図。現在の線路を維持しつつ上方に高架駅を建設する直上工法で整備する。【画像:東武鉄道など】

工事は三つの区間に分けて実施。山手通り東側から東上本線第13号踏切付近までを第1工区、第13号踏切付近から大山駅を経て第17号踏切付近までを第2工区、第17号踏切付近から中板橋駅東側までを第3工区とする。第1・3工区は仮線工法、第2工区は直上工法を採用する。

現時点で想定している施工順序によると、第1工区は現在の線路の北側に仮線敷設スペースを兼ねた側道整備スペースを確保する。線路切替の順序は(1)現在の上り線→仮上り線、(2)現在の下り線→仮下り線(現在の上り線スペース)、(3)仮下り線→高架下り線(現在の下り線スペース)、(4)仮上り線→高架上り線(現在の上り線スペース)。最後に残った仮線敷設スペースに側道を整備する。

第2工区の高架駅を設ける部分は、まず現在のホームを仮設化するとともに仮設の改札口を南北2カ所に設置。仮設の改札内地下道も整備する。続いて高架化で支障する跨線橋を撤去。その後、現在の線路の直上に高架駅を整備して下り線を高架駅に移設し、続いて上り線を高架駅に移設する。

現在の大山駅の略図。【画像:東武鉄道など】
高架化工事中は仮設の改札口を南北2カ所に設けて仮設地下道で結ぶ。【画像:東武鉄道など】

工事説明会は11月9日14時~15時30分と11月14日19時~20時30分の2回実施する予定。いずれも板橋区立文化会館で開催する。関係各者は説明後の終了後、準備工事に着手する方針だ。高架橋の構築工事などは現在の想定では来年度2025年度以降になる。

東京都は2021年12月に都市計画法に基づき事業認可を取得し、現在は工事で必要になる用地の取得を進めている。事業施行期間は2030年度末(2031年3月31日)まで。関係各者によると、この工事で必要になる用地の取得を現在進めているが、現時点で未取得の用地もあるという。

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