東武鉄道と日立製作所の2社は9月3日、決済やポイントサービスなどで利用できる生体認証サービスを本格展開すると発表した。サービス名を「SAKULaLa(サクララ)」とし、鉄道を含むさまざまな業種で「指パス」「顔パス」の認証サービスを展開する。
2社は指静脈認証を活用した生体認証サービスを4月から展開。東武グループのスーパーマーケット「東武ストア」の一部店舗に導入し、指を専用装置にかざすことで決済やポイント付与、年齢確認が行えるセルフレジを設置している。
今後は全国の100カ所以上でSAKULaLaを順次導入する計画。これによりカードやスマートフォンを使うことなく、多様な業種で手ぶらでの決済やポイント獲得などができるようにする。また、来年度2025年度には指静脈認証に加え顔認証にも対応。将来的には鉄道改札への導入などを検討する。
鉄道関係では2025年度から、東上線の座席指定制列車「TJライナー」のうち、池袋発の下り列車全列車にSAKULaLaを導入。チケットの確認に使用する計画だ。
本格展開にあわせて設定したSAKULaLaというサービス名には、「日本中のだれもがサクっとラクに使える利便性を表現し、日本人の心でもある『桜』のような安心感、メジャー感のあるサービスへと成長していく未来の姿」を込めた。
サービスの公式キャラクターとして、貝を模した「ララガイ」とラッコを模した「サクラッコ」も制作。「いつも大事に両手で抱えていた貝の『ララガイ』が、ある日とつぜん、二足歩行で歩き出したことによって、手ぶらで身軽に自由になった桜ラッコの『サクラッコ』」という設定だ。
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