全線運休している陸羽西線(山形県)の運転再開が延期される。同線と交差する道路トンネルの工事が難航しているため。国土交通省の山形国道河川事務所とJR東日本の東北本部・新潟支社は11月7日、同線の代行バスの運行終了時期が来年度2025年度にずれ込む見通しになったと発表した。
陸羽西線は奥羽本線の新庄駅と羽越本線の余目駅を結ぶ全長43.0kmの鉄道路線。列車の多くは余目駅から羽越本線の酒田駅まで乗り入れている。2022年5月から全線運休し、代行バスが運行されている。
代行バスの運行終了時期は当初、本年度2024年度中とされていた。JR東日本によると、道路トンネル工事の進捗状況を踏まえ、代行バスの運行終了時期がずれ込む見通しになったという。運行終了の詳細な時期もトンネル工事の進捗状況を踏まえ、改めて案内するとしている。
国土交通省は陸羽西線に並行する国道47号の短絡ルート「高屋道路」の工事を進めている。この道路の高屋トンネル(仮称)は、陸羽西線の古口~高屋にある第2高屋トンネルのすぐ下を通って交差する計画。工事中の安全確保を図るため、陸羽西線を運休することになった。
山形国道河川事務所によると、高屋トンネルは掘削中に天端の抜け落ちや切羽の崩落などが発生し、補強するなどの追加対策を実施している。鉄道トンネルの近接区間では先進導坑の掘削が今年2024年10月21日に完了したものの、想定より時間がかかったという。
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